ヘンリー王子顔見せは?「英王戴冠式」の見どころ 英王室人気に陰りでもイギリスはお祭り騒ぎに

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見どころ1:おとぎ話のようなパレード

朝、チャールズ国王とカミラ王妃がまるでおとぎ話に出てくるような馬車に乗って、バッキンガム宮殿を出発する。馬車は車体部分が黒、車輪が金色の「ダイヤモンド・ジュビリー・ステイト・コーチ」で、エリザベス女王の即位40周年を記念してオーストラリアで作られたものだ。パレードには馬上御者、近衛兵、騎兵隊など200人以上が随行し、音楽も奏でられる。

BBCが早朝から生中継をするので、自宅のテレビでパレードを見てもいいが、多くの人が沿道に並んだり、各地に設置されたパブリック・ビューイング会場でほかの人と一緒に見たり。宮殿に近いロンドンのハイドパーク、グリーンパークなどの会場を選択すると、臨場感いっぱいだ。

パレードは宮殿前の広い道路「ザ・マル」からチャリング・クロス駅方向に向かい、右に折れて官庁街を抜け、ウェストミンスター寺院の西大門に到着する。その距離は片道約2.6キロで、前回エリザベス女王の場合、行きはほぼ同じ距離だったが、帰りは約8キロ。前回よりかなり短縮された。これまでは行きと帰りでは別のルートだったが、今回は同じルートだ。「王室のスリム化」「省エネ」をモットーとするチャールズ国王らしい。

ちなみに、祖父ジョージ6世はひざ丈のズボンに靴下という伝統的な装束だったが、チャールズ国王は軍服姿の予定だ。

待ち受ける参列者たち

ウェストミンスター寺院では、王室のメンバーや、世界中からやってくる参列者が国王夫妻を待ち受ける。国王の孫ジョージ王子やカミラ王妃の孫たちが侍者として参加し、王室の未来を想像させる。

見どころ2:参列者の顔ぶれ

海外からはバイデン米大統領のジル夫人や秋篠宮ご夫妻などが訪英し、要人約2000人が参列する。特に注目したいのは、チャールズ国王の次男で現在はメーガン妃とアメリカに住むヘンリー王子がどこに座り、どんな表情をするのか、だ(メーガン妃は欠席)。兄のウィリアム皇太子や父の悪口を書いたベストセラー『スペア』を出して、亀裂を作った王子がウィリアム皇太子やその妻キャサリン妃とどれだけ離れた席に座るのか。

昨年9月に行われたエリザベス女王国葬時のウィリアム王子とヘンリー王子(写真:Hollie Adams/Bloomberg)

午前11時、儀式が始まる。クラシック音楽に加え、数々のミュージカルの作曲家アンドリュー・ロイド・ウェーバーによる新曲などが流れるという。

カンタベリー大主教が国王を国民に紹介し、チャールズ国王は「疑いようのない国王だ」と宣言する。寺院内の参列者が「神よ、王を救いたまえ」と叫び、トランペットが吹かれる。

国王は法と慣習を守りながらイギリスを統治することを誓う。戴冠式用の椅子に座り、大主教が君主の頭、胸、両手に聖油を塗る。この部分は儀式の最も神聖な部分であるため、この時だけ、ついたてが置かれて進行する見込みだ。

次ページ式典は伝統を祝うと同時に、多様性も反映
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