学長の「スマホやめるか」発言、真の問題点は <動画>日本のリーダーは新技術に「冷たい」

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「これらのことが、一般国民のレベルで言われるのは仕方ない。しかし、いわゆるアカデミックのトップである大学の学長レベルの人が、(スマホか、友人や自分の思考か、という)その対立軸でものを語るのはあまりよくないと思う」(夏野氏)。

新技術に対する「慣れ」が違ってくる

日本がITの世界でここ20年、アメリカに遅れを取るのは、これら社会のリーダー層の考え方に起因するところがあると夏野氏は言う。「日本では権威を持っている人たちが、新しいテクノロジーに対して、すごく冷たい。あるいは、否定的。アメリカがすべていいわけではないが、リーダーたちが積極的か、(日本のように)否定的かによって、社会全体の新技術に対する『慣れ』が全然違ってくる」。

最後に夏野氏は、「今回の信州大学の学長さんのあいさつを契機に、新しい技術を社会がどう受け入れていくべきなのか、ちょっと考えてみてほしい」と語った。

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夏野 剛 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授

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なつの・たけし

早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、08年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、DLE、GREEの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバーでもある。


 

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