日本育ちでも英語を習得、4つの「意外な共通点」 小さな事を積み重ねて日々を英語浸けにしよう

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「まずはググって、自分にどういう勉強法が合うのかを探す時間をつくることが大事。誰かが勧めている方法で自分の英語力が必ず伸びる保証はない。自分は検索して良さそうだと感じた方法を1週間試してみて、自分に合っているかを確かめた。結果、文法はAtsueigoというYouTuberが勧めていた参考書を使ったり、スピーキングはHello Talkというアプリを使ったり、自分にとって効率的な勉強法を見つけることができたが、それが誰にでも向いているかどうかはわからない」(今井さん)

確かにここ数年間、海外大学に進学した人たちの中で、YouTubeで勉強法を紹介したり、SNSで大学生活の様子を伝えたりするなど、積極的に発信している人が増えています。

一昔前までは、こうした情報は都心部の一部の学校や塾に通う人の間に限られ、情報の格差があったことは否めませんが、今は直接知り合いではなくてもダイレクトメッセージを送り、質問したり相談できたりするようになりました。

ところがこの点については、「ググってわかることを気軽に聞いてくる人がたくさんいる。それをググれないようなら、海外の大学受験は遠いと思う」といった厳しい指摘もありました。

立教大学外国語教育研究センターの新多了(にったりょう)教授は、英語を身につけるために一番大事なこととして「主体的に取り組む姿勢」を挙げています。具体的には、学習者自らが決断する力もそのひとつであり、そのためには自分自身を省みる内省力が重要だといいます。

自分に必要な情報を誰かに依存するのではなく、自分で汗をかいて自力で探しにいく力、そしてそれを試し、振り返り、自分に合うかどうか確かめる力は、英語力向上に欠かせない素質だといえそうです。

④やり抜く力(GRIT)

英語力という点では圧倒的に不利な、母語ではない第2言語での海外大学への挑戦。英語に関しては、日本のトップ大学の入試よりもさらに高いレベルで、しかも4技能すべてを磨かなければいけないという状況は、最初の関門としてはハードすぎると言ってもいいでしょう。英語のテストも、出願に求められるエッセイ(小論文)も、そう簡単に目指すレベルには仕上がりません。何十回と練習したり、書き直したりすることにも挫けない粘り強さと情熱、やり抜く力(GRIT)が求められるのです。

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