「理事の半数以上を女性に」東大で起きた大変化 副学長・林香里さんに聞く数のパワーとは?

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ーー東京大学の学生比率は男性8:女性2となっていて、そもそも女性研究者の数も少ないのが現状だと思います。そんな中で、女性教員の採用目標の達成に向けて具体的にはどのような施策を実施していますか?

22年11月から、女性リーダー育成のための施策「UTokyo男女+協働改革#We Change」を新たに始動しました。

これは、東京大学が文部科学省の科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)」の取組機関に選定されたことを受けたアクションです。

「日本はもともと均質的な国」だと思い込まされている

今回の施策における大きな改革のポイントは、各研究科や研究所などの部局間で、女性教員の採用や雇用について情報共有できる仕組みをつくったこと。

各部局の副研究科長クラスが定期的に集まって、意見交換したり、取り組み事例を報告しあったりする会議体を新たに立ち上げました。

ーーなぜそれが改革の目玉になるのでしょうか。

(写真:woman type編集部)

これまで男女共同参画の取り組みというと、大学運営においてはあくまで傍流で、「大学の隅っこで女性たちが何かやっているらしい」という目で見られていました。

しかし、意思決定の権限を持つ副研究科長など、部局の執行部が会議体に参画することで、この施策を大学運営の中心に位置づけることができます。

同時に、教職員や学生を含めた東京大学の全構成員に意識改革を促すための行動計画も策定しました。

教職員を対象としたジェンダー・ジャスティス研修の実施や、学生を対象としたジェンダー関連授業の新設、研究者の活躍を男女別にデータで可視化することなどを計画中です。

具体的な内容は現在練っているところで、4月から実行に移すための準備を進めています。

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