わずか8カ月で「出戻り転職」した31歳男性の成長 新卒から7年勤めた会社を辞め気づいた仕事の本質

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アフィリエイトASPサービスが主力事業である同社。その一方で複数のWebメディアを展開したり、新規事業の立ち上げも積極的に行われているが、当時の芦田さんにとって、同じような視点で相談できる相手は周囲には少なかったようだ。

「だんだんと自分が正当に評価されているのかもわからなくなってきて。企画のセクションがしっかりしている会社を見てみたい、という気持ちが強くなっていました」

自分の能力を知りたいから違う会社に行きたい、今やっていることが正解なのかを確かめるために大きい組織に行きたい、という話は転職相談でよく耳にする悩みだ。ましてや新卒入社で長年同じ会社にいるからこそ、その気持ちは強くなるだろう。

転職活動を始めると、厳しい現実にショックを受けた

転職活動は順調に進むと思っていたようだが、芦田さんの目の前に現れたのは厳しい現実だった。

「最初の3カ月はどこかいいところがあれば転職しようかな、くらいの気持ちで動いていたんです。知人に紹介された会社を中心に情報を集めていました。でも、いざ他社を受けてみたら、自分のスキルの足りなさに気づかされました。入りたい会社があったんですけど、落ちちゃったんです。

『俺ってこんなもんなんだなあ……』ってショックでしたし、恥ずかしい気持ちになりました。もう少しできるつもりだったんですよね。会社内ではそれなりに評価もされていたので、ちょっと天狗になっていたのかもしれません(苦笑)」

天狗になっていたと自嘲気味に話す芦田さんだが、社内での評価と、社外での評価は異なるもの。人間関係を構築したなかで評価されるスキルもある前者に対し、後者は履歴書・職務経歴書上に書かれた事実ベースでの判断となる。このギャップを感じたことのある、転職経験者は決して少なくないはずだ。

この出来事がきっかけとなり、本格的に転職活動を開始。転職先は不動産業界の大手企業。住宅検索サイトの、PjM兼Webディレクターとして採用された。

「転職活動を続ける中で、『今外に出ていかないといけない』という気持ちが固まりました。ほぼ未経験扱いにはなりますが、とくにプロジェクトマネジメント(PjM)のスキルを磨いていく必要性を感じていました」

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