出生数80万人割れ!データで見る人口減のヤバさ 「佐賀県規模の人口」が1年で消える事態の背景は?

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諸外国の合計特殊出生率推移

少子化の進行はとくに東アジアで顕著だが、欧米の主要国でも合計特殊出生率が2を下回る。少子化は世界的なトレンドとなっている。

対策は待ったなし

 家族関係支出は出生率と相関する傾向にある。日本はヨーロッパの主要国と比べると子育て支援に投じる予算は少ない。対策は待ったなしだ。

家族関係支出の対GDP比の国際比較
【キーワード解説】
合計特殊出生率:15〜49歳の女性の、年齢別出生率を合計したもの。1人の女性が一生の間に産む子ども数に相当。人口維持には2.07が必要とされる。
完結出生児数:夫婦の最終的な出生数(結婚してからの経過期間が15〜19年の夫婦の、平均子ども数)のこと。2010年調査以降、2人を下回る。
ひのえうま(丙午):干支の1つ。江戸時代からの迷信により1966年の出生率は1.58に。それを初めて下回った1990年以降、少子化対策が本格化した。
産み控え:コロナ禍による収入減や感染不安、里帰り出産の制限は、2022年の出生数に影響を与えたとみられる。
2025年問題:団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる「超高齢社会」を迎える年。社会保障費の増大や医療・介護の逼迫などが懸念される。
こども家庭庁:少子化や貧困、虐待など子どもに関する課題に総合的に対応する司令塔となる組織。縦割り行政の弊害打破へ、2023年4月に発足する。
『週刊東洋経済』2022年7月9日号では「人口減サバイバル」を特集。本記事はその内容から、一部を加筆、再構成したものです。
秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年4月から再び『週刊東洋経済』編集部。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。

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