「子どものスマホ」いつから持たせるのが正解? 「長時間利用」「高額課金」「出会い」という不安

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子どものスマホにまつわるトラブルを考えると、躊躇してしまう人も少なくないでしょう。先に挙げた事項に関しては、スマホルールの取り決めとフィルタリングの設定でほぼ対応ができます。

フィルタリングで対応できるが…

スマホを持たせる際に、親子でスマホルールを話し合ってみてください。「スマホはリビングで使う」「スマホは22時までとする」など時間や場所を限定したり、「メッセージの言葉遣いに気を付ける」「知らない人と会わない」といったコミュニケーション面での約束を入れます。

スマホルールは親子で話し合って紙に残しておくことがおすすめ(筆者撮影)

フィルタリングでは、長時間利用と高額課金の対策ができます。利用時間を設定すると時間が来たら画面ロックができますし、課金は都度親の許可が必要になる設定ができます。

スマホの機器代金と月額料金に関しては、中古スマホの利用やMVNOとの回線契約、できるだけWi-Fi利用にするなどの対策が取れます。

とはいえ、子どもがルールを守らない、毎日のようにフィルタリングを外してと頼んでくる、高額なスマホ以外を受け付けないなど、子どもの性格によってはうまく解決しないこともあります。親が子どものスマホを管理しきれない場合も考慮が必要です。両親が共働きでほぼ外出しているのか、在宅で仕事をしているのか、上に兄弟がいるかなどの生活環境によっても、運用方法や必要性は変わるでしょう。

子どもにスマホをいつから持たせるか、その年齢を明示したい気持ちはあるのですが、ご家庭や生活の環境、お子さんの性格によってベストな時期が異なるという回答になります。今はまだキッズケータイで十分だと思ったら、家族共有のタブレットやGIGAスクール端末などでネットの使い方を学習させてもいいでしょう。自転車の乗り方や料理の仕方を教えるように、スマホに関しても子どもの成長を見ながら渡すようにすると、トラブルを少なくできると思います。

鈴木 朋子 ITライター・スマホ安全アドバイザー

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すずき ともこ / Tomoko Suzuki

メーカー系SIerのSEを経て、フリーランスに。SNSなどスマートフォンを主軸にしたIT関連記事を多く手がける。10代の生み出すデジタルカルチャーを追い続けており、子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。
http://tomoko.chu.jp/

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