維新・馬場代表「改革保守の再編は起こりうる」 日本維新の会・馬場代表が描く日本政治の未来

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馬場:そうです。番組の中で「立憲民主党がそれをやると言うのであれば、われわれも協力しますよ。どうしますか」と聞いたら、泉代表は「やりましょう」とおっしゃった。

塩田:事前に打ち合わせなしに、番組の中でいきなり飛び出した話ですか。

馬場:いきなりですね。僕は当初、「憲法改正で」と言っていたけど、憲法改正は物理的に時間がかかります。国会法に同じ文言があり、さらに自民党の「日本国憲法改正草案」(2012年策定)にも同じく「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と書いてあることがわかりました。

それで国会法を改正して「20日以内」を入れるという方法に行き着いたわけです。そのテレビ出演がきっかけで、国会法改正も含む8項目の政策協定を結んで、その部分に限定して協調していくことで立憲民主党と合意しました。この8項目のすべてについて、実際にその後、結果を出しています。

立憲民主党との3つの約束

塩田:一転して立民との関係を見直すことにしたきっかけと理由は。

馬場:立憲民主党は態度が変わってきています。とくに岡田幹事長や安住国対委員長は、国会を開くことに否定的ではありません。政治を前へ動かしていけると思いました。「維新と立憲の協力はまやかし」という声があるのは認識していますけど、国家・国民のためにこれをやり続けて結果を出していけば、国民の理解を得られると思います。

塩田:立民との連携は、去年8月の維新の代表交代の直後に急展開で実現しました。実は松井代表の存在が両党連携の壁になっていたということはありませんか。

馬場:いや、そんなことはないですね。われわれも国政進出から10年、ようやく地に足を着けた国会活動ができるようになってきて、活動のフェーズが変わった。それと立憲民主党の事情があります。党勢は頭打ちで、現状では支持率も上がらない。とくに党内で保守と思われる皆さんは、維新と組んで生産性のある政治をやりたいと思っています。

塩田:今年の通常国会でも、立民と国会共闘を進めることで合意しましたね。

馬場:今国会では立憲民主党と3つの約束をしています。第1は提出される60本前後の法案への対応を協議する。第2は憲法、エネルギー、安全保障・外交など国の根幹に関わる部分について勉強会を始める。第3は国をどちらの方向に持っていくかという国家像と基本理念についてです。

出発点は2021年から前原誠司さん(現国民民主党代表代行。元外相)や松原仁さん(立憲民主党の衆議院議員。元内閣府特命担当相)や僕なんかが中心となってやっている「新しい国のかたち(分権2.0)協議会」です。2年余り議論し、昨秋の臨時国会のときに法案まで行き着いています。

塩田:前原氏の名前が出ましたが、国民民主党とは連携・共闘を組まないのですか。

馬場:先述の3点を進める過程で、国民民主党にも声を掛けようということで、やっていると思いますが、向こう側の反応はイマイチですね。

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