話し始めた途端「イライラされる人」共通の話し方 無意識のうちに相手の時間を奪っていませんか

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「何が言いたいの?」「結論は?」と、相手をイライラさせてしまった経験はありませんか? 私はたくさんありました。まさに20代の頃です。

私:「すみません。ちゃんとメールを送付したつもりだったのですが、メールに添付資料がついていなかったみたいで、再度送ろうと思ったのですが……」
上司:「桐生、結論から」
私「ああ、はい……。えーと、資料をお送りしたいのですが、データが古いようでして……」
上司:「桐生、結論から」
私「はい……。すみません……。最新の資料をいただいてもよろしいでしょうか?」
上司:「了解」

こんなやりとりがしょっちゅうでした。整骨院に行ったときも、「重いものを持ったときに左手の小指が痺れまして、そちらをかばっていたら今度は首の右側が痛くなりまして、シップを貼っても……」結局何? みたいな顔をされたことが何度もあります。そんな私が、ビジネススクールを立ち上げ、全国で伝わる話し方セミナーを開催し、話し方の専門書を10冊も書いているので、人生はどう転ぶかわかりません。

なぜ結論から話せないのか?

すべてにおいて、結論から話すことが正解だとは思っていません。しかし、ビジネスシーンでは、相手が結論から求めていることが多いのも事実です。では、なぜ結論から話せないのか?その理由は単純明快です。訓練していないからです。

人間の脳は、時系列で話すことに慣れています。小学校の日記を思い出してください。朝〇〇して、昼〇〇して、夜〇〇しました、と、時系列で書いたほうが簡単に書けます。物語の「起承転結」も、起→結の順番で、時系列で語られます。そのほうが楽だし、深く考えなくても済みます。だから何にも訓練していない人が、いきなり結論から話そうとすること自体、無理があるのです。

さて、ここからが具体策です。もしあなたが、「1つのことに特化すると異常な強さを発揮する」タイプでしたら、1つだけ特化してほしいことがあります。結論から話すために、特化すること。それは、「冒頭3秒で切る」です。

何かを話すとき、冒頭は3秒で切ると決める。例えば、「商談の結果、どうだった?」と聞かれた場合。「先方は当社の製品を非常に喜んでくれておりまして、本日は契約をいただけなかったのですが、ぜひ前向きに検討したいということで……」。

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