「日銀は市場に負けた」と言う人の根本的な間違い 日銀の金融政策変更は「次回3月会合」が濃厚だ

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競馬である。

15日の日経新春杯はヴェルトライゼンデが勝ったが、ジャパンカップ3着という実績がありながら2番人気だったのは、59キロという負担重量が嫌われたのだろう。

これは、今年から騎手の減量の負担を軽減するために、馬の負担重量を全体で1キロずつ上げたことにある。だから、ハンデ戦の59キロは昨年の58キロであるから、「昨年まで59キロでは重すぎる、勝てない」というイメージに引きずられたことによる人気の盲点となった。

AJCCは「小幡の法則」に従って選択

こういう変化のときは、人間のイメージに引きずられる行動パターンの裏をかくチャンスであり、競馬というギャンブルの醍醐味である。

ちなみに、データ馬券戦略というのは「馬の近走の勝ち方のイメージによる過剰人気(直線一気の追い込みなど派手な勝ち方をした馬など)の裏をかこう」「個々の印象、個別の情報をあえて捨てて冷静になろう」ということである。

しかし、昨今、データをあまりに多くの人が掘り尽くしすぎるので、素朴に「具体的に個々の馬でどれがいちばん強いか」と予想するほうが、かえって人気の裏をかいて回収率が上がるような気がする。それこそ、気のせいかもしれないが。

さて、22日のAJCC(アメリカジョッキークラブカップ)は、ガイアフォース。菊花賞の1番人気での惨敗がどういうイメージを馬券購入者に与えるか。ちなみに、「1番人気で惨敗の次は買い」というのは、「小幡の法則」の中では唯一優秀なセオリーである。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績 慶應義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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