今夏開業、宇都宮ライトレールが描く未来の交通 ファン押し寄せるが観光列車ではなく地元の足

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宇都宮市と芳賀町は、今回の宇都宮ライトレールの開業を軸に、交通体系が大きく変わることになる。詳細を宇都宮ライトレールの運行事業者である「宇都宮ライトレール株式会社」の担当者に聞いた。

「宇都宮ライトレールにおいては、朝夕のピーク時には約6分間隔、それ以外の時間帯で約10分間隔での運行を想定している。また、路面電車では全国初となる快速運転を想定し、19停留場のうち2カ所において、快速が各駅停車の追い越しを行う。詳細なダイヤは、今後、国の認可を経て決定する予定」とのこと。開業当初から利便性を考慮し、高頻度の運転となるのは、今後の地域交通のあり方に大きく影響しそうな事例である。

さらに運行パターンに緩急設定があるため利便性と速達性が高く、各駅停車と快速がどのように待ち合わせをするのかも注目していきたい。

地域が待ち望んだ「インフラ」

ほかにもさまざまな取り組みを行っている。たとえば相互利用の向上を図るため、すでにバス路線の再編も行われていて、担当者は「他の交通と乗り継ぎしやすい施設として、路線には5カ所のトランジットセンターを整備している」と話す。

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これは宇都宮市、芳賀町の取り組みとして、バス路線の再編や、地域が主体的に運行するデマンド交通である地域内交通などの拡充を図り、これらと宇都宮ライトレールをトランジットセンターで結節できるようにするものだ。

宇都宮ライトレールは、地域が待ちに待った待望の「インフラ」である。担当者によると「利用促進に向けては、地元の企業や商店街を含めて、地元の方々の協力が必須。それには、宇都宮市と協力しながら、継続的に車両見学会を開催し、多くの方に低床式車両(LRV)を体感してもらい、事業への理解を深めていただくようにしている。通勤・通学に宇都宮ライトレールをご利用いただけるように、沿線の学校や企業との協議を重ね便利な運行ダイヤを検討している」という。

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