「クレヨンしんちゃん」いま大人がハマる納得の訳 2022年には30周年、パジャマ等グッズも人気

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2022年に上映された『もののけニンジャ珍風伝』でも、忍者を相手に野原一家はしんのすけを助けるために爆走する。しんのすけの出生のシーンが描かれた貴重な本作だが、みさえが同じ子供をもつ母として、妊婦の屁祖隠ちよめを励まし、ともに苦難に立ち向かう姿も心に残る作品だった。

『クレヨンしんちゃん』が大人たちの心を掴んだのは、アニメや映画だけではない。

『クレヨンしんちゃん』のグッズも新作が出るたびSNSで話題になり、近年では日本だけではなく、韓国や中国、台湾と世界的に人気だ。とくに韓国では、化粧品メーカーや食品ブランドなどコラボ商品も続々登場している。

「再現性が高い」グッズも大人気

何故こんなにもグッズが人気なのだろうか? それは、アニメのポップでかわいい雰囲気をそのまま落とし込んだデザインはもちろんのこと、『クレヨンしんちゃん』の世界を再現した「再現性」にある。

クレヨンしんちゃんのグッズ(写真:筆者提供)

公式サイトやヴィレッジヴァンガードで販売されているものには、アニメでしんのすけが着用しているパジャマからシロのお家、作品に登場する「サトーココノカドー」のグッズなどがある。まるで『クレヨンしんちゃん』の世界観をそのまま体感できることが人気の理由だ。

その「再現性」に溢れたグッズはファンのみならず、つい欲しくなってしまうデザインが多い。また、埼玉県を取り上げたイベントや企業とのコラボグッズが多いのも『クレヨンしんちゃん』が愛される理由の1つだろう。

平成初期に『クレヨンしんちゃん』を楽しんだ人々は、ひろしやみさえの年齢に近づき、今では2世代で『クレヨンしんちゃん』を楽しめるようになった。令和になった今でも映画・アニメ・漫画ともに『クレヨンしんちゃん』のギャグは健在だ。ぜひこの30周年を機に、もう一度笑って、泣ける『クレヨンしんちゃん』の世界を堪能して欲しい。きっと最強の家族、「野原一家」から元気をもらえるに違いない。

Tajimax ライター・コレクター

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たじまっくす

東京都出身。2018年からSNSを中心に90年代〜00年代の平成ガールズカルチャーを紹介している。『オリコンニュース』『現代ビジネス』『ビジネスジャーナル』などで平成ガールズカルチャー関連のインタビュー取材ほか、「アーバンライフメトロ」などのウェブサイト、「クイック・ジャパン」に寄稿。90年代〜00年代の平成ガールズカルチャーのコレクターでもあり、古雑誌をメインに膨大なアイテムを所有している。

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