福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を

福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を

「止める」「冷やす」「閉じこめる」は原発事故での三大原則。3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故では「冷やす」ことが完全にできず、事態を悪化させている。地震と津波により冷却系統が想定以上に破壊されたことが要因だが、冷却機能が再び機能し、放射能の拡散を減らすことはできるのだろうか。

東京電力によれば、1号機は「原子炉への海水注入を実施中」、2号機も1号機と同じ、3号機は原子炉脇にある使用済み燃料プールを冷却するため、17日の午後にヘリコプターによる空中からの放水を実施した。

現場では被曝の危険を顧みず、職員たちの必至の作業が続いているが、どこまで冷却できるのか。現在得られる情報の範囲内では、以下のようなことが判断できそうだ。

 


■福島第一原発3号機(写真提供:東京電力)

 

 


■福島第一原発4号機(写真提供:東京電力)

 

政府・東電の情報では原子炉格納容器の無事は不明

現在実施中、あるいは検討されている注水作業について見てみよう。

ヘリコプターによる放水は17日に実施されたが、効果はなかったはずだ。ヘリコプターはローターの回転により下向きに強い風を発生させる。そんな場所から水を放出しても、その水は水滴になるだけで原子炉まで届かない。ましてや、冷却できるほどの水は溜まらない。開始してすぐに中止されたが、このようなことは原子核物理学のような高尚な学問ではなく、常識的なことだ。自衛隊の幹部からは効果がなく、しかし被曝の恐れだけは強い試みに対して進言はあっただろうが、おそらく判断力の低下した官邸では受け入れられなかっただろう。貴重な隊員、貴重な航空燃料。全体を冷静に管理する能力が残っているか懸念される。

放水車による放水も、どこまで効き目があるのか疑問だ。どこまで正確に放水できるのか、また冷却できるだけの十分な水を原子炉の中にどこまで貯められるのか。効果的なのかはわからない。水は放物線を描いて投射される。原子炉建屋の頂点に位置する燃料プールに適切に水がたまり得ないことは、これも中学生のレベルで理解できることだ。前代未聞の経験に対処している東京電力など現場の作業は、場当たり的な命令にさぞかし困惑していることだろう。

そこで、次のような疑問が湧く。政府や東電は、格納容器の状態をどこまで把握しているのか、だ。

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