台湾鉄道との提携が、こんなにも相次ぐ理由 京急、西武が「友好協定」を立て続けに調印

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2013年に運行を開始した台鉄の新型特急「普悠瑪(プユマ)号」。日本車輌が製造している

鉄道業界で、海峡を越えた連携の動きが活発化している。お相手は、台湾の国有鉄道・台湾鉄路管理局(台鉄)である。

2月26日に京浜急行電鉄が台湾で「友好鉄道協定」の調印式を開催したのに続いて、3月14日には西武ホールディングスが東京で「包括的事業連携に伴う友好協定」の調印式を開いた。

先行した京急、巻き返した西武

京急が動き出したのは、2014年10月半ば。台湾からの訪日客のうち、1割近くに当たる27万人が羽田空港を利用している(2013年)。台湾での知名度を高めることで羽田から都心へのアクセスとして京急を利用する訪日客が増えれば、同社の収益にも少なからず貢献する。羽田アクセスだけはなく、横浜、横須賀、三浦海岸など、沿線の観光地を訪れる際に京急が利用される可能性も高まる。

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京急と台鉄の調印式。京急の原田一之社長(左)と台鉄の周永暉局長

そこで京急は、2月26~27日に台北駅構内で日本のイラストレーターによる似顔絵作成イベントを実施した。3月からは台鉄の各駅にポスターを掲示するといったPR展開も行っている。

一方、日本国内では、友好提携を記念したラッピング列車の運行や、現地を旅行した人から人気の高い「台鉄弁当」の販売を計画している。

西武が台鉄に接触したのは11月に入ってから。京急に一歩後れを取った形だが、その後の巻き返しは早く、2月12日に友好協定締結の発表を行った。京急の友好鉄道協定の発表は6日後の2月18日である。「わずか4カ月で友好協定を実現することができた」と、西武ホールディングスの後藤高志社長は胸を張る。

両社が相互に実施する取り組みは、災害時の相互協力、観光PR、記念乗車券の販売など。さらに西武側は、埼玉西武ライオンズ主催試合で「台湾デー」を実施したり、台湾への駐在員派遣などを行う。

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