46歳未経験でラーメン店を開いた女性の挑戦 「できないことなんてない」を実現する"聞く力"

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お店を祇園に構えたのも、女性が大いに活躍できる場所でやりたかったから。祇園は舞妓さんや芸子さんがたくさんいる、女性が中心になって働いている場所ですからね。

そうやって女性に向けたラーメン店をオープンして、もう7年目になります。

『祇園麵処むらじ』外観(写真:Woman type編集部)

長いスパンで一つのお店を続けたい

もともと私は主婦でした。食べることは好きでしたけど、料理人でも何でもありません。

小さい頃から人と話すのが好きで、人と関わる仕事がしたいと思って飲食店でパートはしていたけれど、本格的に飲食の世界に入ったのは31歳の時。

きっかけはママ友です。「うちの会社で飲食店を立ち上げるんだけど、やらない?」と声を掛けてもらって。子どもも手が離れつつあったので、やってみようかなと思いました。

それから約15年間、飲食店の立ち上げや店舗運営に携わりました。カフェやバー、イタリアン、居酒屋、しゃぶしゃぶなど、さまざまなお店に関わり、立ち上げた店舗は10店以上。

当時はとにかく必死でやっていたけれど、40代に入った頃から「長いスパンで一つのお店を続けたい」と思うようになりました。

お客さんに喜んでもらうのが好きだから、飲食の仕事を続けることに迷いはなかったけれど、トレンドを追いかけるようなお店をやっていたから、はやりすたりの波がしんどくなってしまったんです。

京都は100年後も、おそらく大きくは変わらない場所です。祇園の風景は私が生まれた頃からほとんど変わっていません。そういうところで、私もずっと続く飲食店をやってみたい。

そう考える中で、子どもからお年寄りまでなじみがあって、気楽に食べられるものとしてラーメンが頭に浮かびました。そういえば子どもの頃から『餃子の王将』に行っていたし、結構食べるもんやなって。

そしてラーメンもまた、これからも変わらずあり続けるものだと思います。それはちょっと京都に似ているというかね。

ラーメン屋さんの経験は全くありませんでしたが、31歳で飲食業界で仕事を始めて以来、初めてのことばかりをやり続けていました。

最初はパート感覚だったけど、人材募集やアルバイト教育、チラシ配り、メニュー作りなど、店長のような立ち位置で全部を任されて。

必死で調べたり周りの人に聞いたりして、どうにか乗り越えてきた。だから、よく分からない中でやっていくことへの慣れはあったのだと思います。

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