有料会員限定

「賢いトランプ」をリーダーに、再編探る保守思想 2024年の米大統領選はデサンティス氏優勢

✎ 1〜 ✎ 246 ✎ 247 ✎ 248 ✎ 最新
拡大
縮小
演説台でスピーチするデサンティス知事
フロリダ州知事選で圧勝したデサンティス知事。次の大統領選への出馬が取り沙汰される(写真:AP/アフロ)

トランプ現象を受けて米国の保守思想再編を目指す「国民保守主義(ナショナル・コンサーバティズム)」の運動が形を整え出した。経済のグローバル化や安全保障での過剰な対外関与で国民が疲弊し、その怒りに乗ってトランプ前大統領が登場。そのため政治と社会の混乱が生じたとの認識から、運動が始まった。

近年は、格差拡大の思想的背景となった新自由主義や、米国の過剰な対外関与をもたらした新保守主義(ネオコン)を排除し、保守思想変革を目指す動きが保守系知識人の間で続いてきた。2019年7月には数百人が首都ワシントンで「国民保守主義会議」の名の下に集結、以来、3回の総会を開くなどして新たな思想を模索してきた。トランプ現象を保守再編のチャンスとみてきたが、トランプ個人とは距離を置く傾向がある。

「賢いトランプ」評価にも変化

中間選挙を前にしたこの9月にはフロリダ州マイアミで第3回総会を開催、デサンティス同州知事を初日の基調講演者として招いた。知事はコロナ禍の中でもマスク着用やワクチンパスポート提示を義務化せず、フロリダ州経済の好調を維持したなどの成果について講演し、大喝采を浴びた。

次ページ4年目に入って運動が形を整え出したのは
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内