大人になった「ビリギャル」が悟った受験する意味 勉強って「自分のため」にするものじゃない

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ビリギャルこと小林さやかさん。現在は米国コロンビア大学に留学中だ(写真:講談社提供)
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の「ビリギャル」こと小林さやかさんは34歳になった。大学卒業後は、ウェディングプランナーとして従事し、その後フリーランスに転身、2022年秋から米国コロンビア大学教育大学院の認知科学プログラムに留学中だ。大人になってようやく見えてきたという勉強する意味を『ビリギャルが、またビリになった日 勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで』より一部抜粋・編集のうえお届けする。

偏差値は「生きる力」にはならない

学生のときの私と、今の私は当たり前だけど全然違っていて、そのときわからなかったことが、今ならわかる。そんなことばっかりだ。ビリギャルで描いてもらった受験の経験は、私の人生のほんの一部。たった1年半の出来事だ。それ以外の時間でもっと多くのことを、多くの経験と出会いを通して学んできた。

私は1年半で偏差値を40くらい上げて、慶應義塾大学に入って、そのことでたくさんの方に知ってもらえるようになったんだけど、でも、偏差値が高いっていうだけじゃ、社会では通用しないということもよくわかった。

社会に出ると、「偏差値はおいくつですか?」なんて聞かれない。大学名すら聞かれることって少ない。いい大学行ったら安泰かというと全然そんなことない。東大卒業したって会社に入れなくて困っている人だっている時代だ。じゃあ、なんでこんなに多くの人がいい大学に入りたがるのか。どうして親はみんないい大学に入ってほしいと思うのか。

私は得意なものとか、人より詳しいものとか、何もなかった。ワクワクするものも、「イケメン」とか「なんとなくキラキラした世界」とかそんなんばっかり。でも、それでいいんだ! そんなんでいいから、とにかくワクワクできるものに挑戦するってこと、してもいいんだ! ときっかけをくれたのが坪田先生だった。

別にいい。きっかけがジャニーズでも、「モテたい」でも、「だれかを見返したい」でも、なんでもいい。とにかく行動を起こさない限り、何も始まらないってことだけは、変わらない。

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