「朝から機嫌がいい人」が毎朝2分間だけやること 必要なのは紙とペンだけだから試してみたら?

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何週間かあとに書いたものをさかのぼってみたら、何が起こるだろう? 

おそらく僕は首をかしげる。「心配してたメールって何だっけ?」。時間がたてば、心配のタネが何だったかすら、思い出せないことが多いのだ。

では、大きな不安についてはどうだろう? たとえば、母親が病気で重篤な状態にあって、もう長くなさそうだとしたら? そんなときも「2分間の朝の習慣」はもちろん、役に立ってくれる。思いを外に出して整理し、自分がどう感じているかを認めれば、重苦しい状況を外から観察し、認められるからだ。

「僕は……腕の毛深い痣のことで悩むのを手放します」

「私は……エクササイズのクラスを5分で息切れして退出した恥ずかしさを手放します」

「私は……3歳の子どもを怒鳴りつけて靴をはかせてしまったことを、くよくよ悩むのを手放します」

簡単な習慣だけど、すばやく心を癒やす効果があって、つい未来に向きがちな心を一瞬で「今」に戻してくれる。心を解放してくれるので、気分がよくなるうえに、心が癒やされる。

感謝で幸福度が増えるワケ

次に書くのは「私は……に感謝します」という文だ。つまり、かなりネガティブな状況にあっても、脳に無理やり小さな幸せを探させる習慣なのだ。「子どもの頃にママが読んでくれた本を、ママに読んであげられた」「看護師のジャスミンがコーヒーをくれた」「週末、今年初めて子どもたち全員が家に帰ってきた」。

ソニア・リュボミアスキー、ローラ・キング、エド・ダイナーによる「頻繁な肯定的感情の利点:幸せは成功をもたらすか?」というすばらしい調査から、わかったことがある。ポジティブな心で1日を始めたら、年齢や社会的地位がほぼ同じ集団と比べて、生産性は31%、売り上げは37%、創造力は3倍も高くなる。

また、ロバート・エモンズ教授とマイケル・マクロウ教授の研究によると、週に5つ感謝を書き出すと、10週間も経てば、明らかに前より幸せに、身体も健康になるという。書き方は、具体的に書くほどいい。「家族、食べ物、仕事」のようにあいまいな書き方をしても、幸せが大きく増すことはない。具体的な経験を追体験できないからだ。

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