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なぜ顔を覚えると組織が活性化するのか? 脳科学者が解き明かすビジネスメリット

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一般的な人事管理システムの場合、社員番号と名前をテキストデータで管理することが圧倒的に多い。しかし、企業向けクラウド型人材管理サービスを展開する「カオナビ」のサービスでは、社員番号と名前のデータとともに「顔写真が一覧で見られる」ことが大きな特徴となっている。顔写真を一覧で見ることができることで、経営陣による人材の配置・抜擢ほか、現場長によるスタッフの評価や育成、各部門の人事の一元管理などが容易になる。
さらに、このサービスには「顔が見える」「顔を知っている」ことで、ビジネスパーソンのやる気を引き出し、組織を活性化するというメリットがある。なぜ顔を覚えると組織が活性化するのか――。カオナビ社長の柳橋仁機氏をナビゲーターに、脳科学の視点から、TVで話題の脳科学者、中野信子先生に「顔を覚える」ことのビジネスメリットを語ってもらった。

顔写真があることで
記憶の定着が促進される

柳橋 われわれが顔写真による人事管理サービスの発想を生み出したきっかけは、あるクライアント企業からの依頼にありました。

当時、そのクライアント企業は急成長期にあり、社員数も日増しに増えている状況にありました。しかし、社長以下管理職からすると、知らない社員が多くなり、声をかけづらくなった。自然な会話ができないため、社内に妙な緊張感が生まれ、仕事が円滑に進まなくなってしまったのです。そこで私が考えたのが、普段から社内で顔と名前を一致させておけば、自然な会話ができるようになるのではないかということでした。この発想は脳科学的に見ていかがでしょうか。

中野 顔写真があると名前を覚えやすいということは、「長期記憶」と呼ばれる記憶のうち、「陳述記憶」というものに当たります。記憶には「陳述記憶」と「非陳述記憶」があり、「非陳述記憶」は言語化できない記憶のことを指し、一方、「陳述記憶」とは言語化できる記憶のことで、名前や年号などを覚えることを指します。この「陳述記憶」には「意味記憶」と「エピソード記憶」の二種類があり、名前を覚えることは、「意味記憶」に当たります。しかし、この「意味記憶」には“忘れやすい”という特性があるのです。

ただし、これを「エピソード記憶」にすると、覚えている時間が長くなります。「エピソード記憶」は文字どおり、「あのとき何があったのか」「このときこう思った」というエピソードで覚えている記憶です。つまり、顔写真があることで、その人との記憶として、「この人との間に何があったのか」「この人とこんな会話をした」ことが紐付けされ、忘れにくくなるのです。顔写真があるということは、「意味記憶」を「エピソード記憶」に近づけることであり、記憶の定着を促進するという効果があるように思います。

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