新田恵利さん「悔いなし介護」母との6年半の軌跡 夫の介護を見据える加藤綾菜さんと本音対談

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加藤:新田さんが出された本に「言いふらし介護」という言葉があってとてもいいと思いました。ひとりで抱え込まないで、人に打ち明けることでラクになりますよね。私もそのときが来たら必ず言いふらします!

新田最初はブログに書き始めたんですけど。人に話したりブログに書いたりしていると、頭の中でグチャグチャだったものが整理されていくし、いろんな人から共感やアドバイスや励ましをもらえて救われました。綾菜さんはまだ若いから、共感してくれる友達は少ないですよね。

加藤:そうなんです。でも最近、友達の母親が認知症になって、よく相談の電話がかかってきます。愛するダンナさんが認知症になるのもつらいと思いますが、親がなるのも受け入れられなくてつらいですよね。

最初は怒っていたが、受け入れていくように

新田:ぜひ、話を聞いてあげてください。私の母の場合、認知症は軽いまま終わったのですが、もし娘の私を忘れちゃったら、つらすぎて介護できなかったかもしれません。思いが強いだけに……。

加藤:いつもお元気で頼りになったお母様が、以前はできたことがだんだんできなくなっていくのを見ているのもつらい経験だったと思います。

新田やっぱり最初は怒っちゃうんです。「どうしてできないの!?」って。でも、在宅で看る場合は、毎日のことだから受け入れざるをえない。ある意味、そのほうがラクなのかも。

加藤:施設に入っていてなかなか会えないと、会うたびに新たなショックを受けちゃいますものね。

新田:加トちゃんは、何かできなくなったことはあるんですか?

加藤パーキンソン症候群になったときはご飯も食べられなくなり、体重も38キロくらいまで落ちてしまったんです。でも、夫婦で1年間「絶対に治すんだ!」という強い気持ちで頑張ってきたので、今は元どおり何でもできるようになりました。とはいえ、いつ突然何があるかわからないのでつねに覚悟はしています。

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