発売から3年経過、トヨタ「RAV4」一部改良の理由 PHVを「Z」として統合、グレード再編の意図は?

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また、ガソリン車4WD仕様には、19インチホイールや内外装をブラック基調とした「G“Z package”」も用意。さらにガソリン車のAdventureグレードをベースに、ブリッジ型ルーフレールなどでよりアグレッシブなスタイルとし、最低地上高を10mmアップするなどで悪路走破性も高めた特別仕様車「Adventure“OFFROAD package”」もラインナップしていた。

特別仕様車 Adventure“OFFROAD package Ⅱ”
特別仕様車 Adventure“OFFROAD package Ⅱ”の外観(写真:トヨタ自動車)
内装
特別仕様車 Adventure“OFFROAD package Ⅱ”の内装(写真:トヨタ自動車)

今回は、Adventureグレードの特別仕様車が変更となり、Adventure“OFFROAD package Ⅱ”」として登場。フロントバンパー、ドアミラーなどに「GORI GORI BLACK塗装」という、塗料を塗り重ねつくり出した、凸凹があり艶を抑えた質感のカラーを採用し、オフロードイメージをより強調。また、従来はガソリン車のみの設定だったが、今回はハイブリッド車にも同じ仕様が追加された。

Zグレード
Zグレードのスタイリング(写真:トヨタ自動車)
内装
Zグレードの内装(写真:トヨタ自動車)

ほかにも、新しく「Z」グレードを設定した。これは、前述したプラグインハイブリッド車の「RAV4 PHV」を、従来の別モデル扱いから、RAV4の傘下に組み込んだもので、電気式4WDのE-Four仕様のみ設定する点も従来同様だ。トヨタは、今まで、例えば「プリウス」と「プリウスPHV」をわけるなど、プラグインハイブリッド車はベース車と別扱いにしてきた。だが、2022年10月31日に発売を予定する「ハリアー」のプラグインハイブリッド車も、同モデルの「Z」グレードに設定している。

プラグインハイブリッド車は、例えば、家で充電することでモーターのみで走るEV走行の距離が伸びたり、災害などで停電した際は家電などを使える電源として活用できたりと、さまざまなメリットがある。ただし、価格が比較的高いことなどで、セールス面では苦戦していることも事実だ。ハリアーやRAV4のプラグインハイブリッド車が、今回ベースモデルの「上級グレード」的扱いになったのには、そうした背景もあるのだろう。

なお、新しくなったRAV4の価格(税込み)は、293万8000円~563万3000円だ。

そのほかの一部改良による変更点

インテリア
Adventure(ハイブリッド車)のインテリア(写真:トヨタ自動車)

今回は、より大型のメーターが採用されたことも改良点のひとつだ。従来、上級グレードに設定されていた7.0インチメーターは、12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイへ変更。Adventure、G“Z package”、G、それにプラグインハイブリッド車のZに標準装備される。また、エントリーグレードXのメーターも、4.2インチから7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイとなり、全グレードで、よりメーターの視認性や使い勝手が向上している。

次ページ実際に一部改良モデルに乗って感じたこと
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