発売から3年経過、トヨタ「RAV4」一部改良の理由 PHVを「Z」として統合、グレード再編の意図は?

✎ 1〜 ✎ 111 ✎ 112 ✎ 113 ✎ 最新
拡大
縮小

このようにRAV4は、主に海外市場のニーズに合わせて、ボディやエンジンの大型化が行われたが、国内では、市場のニーズがより大型のヴァンガードなどに移ったことも影響し、2016年に販売終了。その後、海外には4代目も投入されたが、日本は未導入で、しばらく国内市場にはRAV4はラインナップされない状況が続いていた。

現行モデルの特徴

RAV4
2019年に復活した現行モデルのRAV4(写真:トヨタ自動車)

2019年4月、約3年ぶりに国内投入されたのが、現行の5代目モデルだ。幾何学形状の八角形(オクタゴン)2つを、90度ずらしてはめ合わせた「クロスオクタゴン」という造形テーマにより開発され、タフさと安定感を演出した外観デザインを採用。本格オフロード車的なスタイルは、都会的な印象の3代目などと違い、1代目や2代目のコンセプトに先祖帰りした印象さえある。

高剛性化を図ったボディは、開口部にねじれ現象を抑制し、振動の低減や操縦安定性に貢献する環状骨格構造を採用。市街地や高速道路、オフロードなど、幅広いシーンで高い安定感と乗り心地の良さを実現する。

ボディサイズは、全長4600~4610mm×全幅‪1855‬~‪1865‬mm×全高‪1685~1690mm(RAV4 PHVは1695mm)で、‬歴代モデル最大だ。また、車体の大型化は、580Lという大容量のラゲッジスペースも実現し、6:4分割可倒式リヤシートや、ラゲージ床面の高さを2段階に調節できる2段デッキボードも装備。荷物の形や大きさに応じた使い方ができることで、高い利便性も誇る。

パワートレインには、2.0L・4気筒ガソリンと、2.5L・4気筒ハイブリッドを用意する。トランスミッションには、ガソリン車がダイレクトシフト-CVTを採用、ギヤ機構付き自動変速機と、マニュアル感覚のシフトチェンジが楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックを組み合わせる。また、ハイブリッド車は電気式CVTだが、こちらも6速シーケンシャルシフトマチックを採用し、自在に操る感覚が味わえるのも魅力だ。駆動方式は、ガソリン車が2WD(FF)と4WD、ハイブリッド車は2WD(FF)と電気式4WD「E-Four」を設定する。

次ページ復活したRAV4がSUV市場で人気を得た理由
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT