頭がいい人は、なぜ「青ペン」を使うのか? 受験生12万人の「口コミ」からブームに!

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――12万人の実証例を見てきた相川さんから見て、青ペンで成果を出すポイントは、どこにあると思われますか?

とってもシンプルで「やるかやらないか」「選ぶか選ばないか」です。この勉強法は、そもそも青ペンと1冊のノートさえあれば、「いつでも、どこでも」始められます。あとは、目標に向かって、スタートを切ればいいだけ。

もちろん、「やらないための」言い訳をしようと思えば、いくらだってできるでしょう(笑)。それを封じる、塾生のためのおまじないは、「すぐやる。必ずやる。できるまでやる」――これ、塾訓みたいなものです。ビジネスパーソンだって、この3つを着実に重ねていけば、芽が出ないわけがありません。

手を動かすと、何かが変わる

今の若い人たちは「デジタルネイティブ世代」と呼ばれています。小さい頃から携帯やスマートフォンを玩具のようにして育ってきている。ビジネスの場でも、1日中パソコンの画面とにらめっこ。そういう時代だからこそ、「青ペン書きなぐり勉強法」のアナログな行為が、実績を出しているのではないかと思うのです。

実際にペンを握り、目標のために一心不乱に書きまくる。たとえば、自分たち昭和の時代だったら、好きな子の名前を書き連ねたとか(笑)、第1志望大学・学部を人知れず綿々とつづるとかのたぐいです。

「早稲田大学法学部 早稲田大学法学部 早稲田大学法学部 早稲田大学法学部 早稲田大学法学部 早稲田大学法学部 早稲田大学法学部 早稲田大学法学部 早稲田大学法学部………」

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実はこれ、私自身も実践しました。

元塾生で、「青ペンで勉強していると、大切な試験の当日に、突然、文字が浮き上がって見えてくる」と言った生徒がいました。書きなぐっているときには気づかないのだけれど、いつの間にか脳に「しみ込んで」、ふとしたときに再現される、と。私はこの感覚は「第六感」に近いのではないかと思います。

目で見て声に出し、それを自分の耳で聞きながら、手を動かして記憶する――。五感をフルに活用して勉強すると、私たちの潜在能力が最大限に発揮されるようになるのではないでしょうか。

(撮影:尾形文繁)

相川 秀希 日本アクティブラーニング協会 理事長

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あいかわ ひでき / Hideki Aikawa

早稲田塾創業者。日本アクティブラーニング協会理事長。株式会社サマデイCEO。株式会社アドミッションズオフィスCEO。教育革新のための情報発信メディア EducationTomorrow編集人。自社開発のポートフォリオシステム「Feelnote」が文部科学省/JASSOの官民協働海外留学創出プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」に採用。オリジナルのアクティブラーニング・ワークショップが、各種教育機関をはじめ、大手テーマパーク・金融機関・コンビニエンスストア・人材開発コンサルティング企業などの主要な人材開発研修として取り入れられている。ロックフェラー財団 ACC(Asian Cultural Council)メンバーも務めている。著書に『日本一受けたい授業』(水曜社)、『頭が良くなる青ペン書きなぐり勉強法』(KADOKAWA)、『超一流はアクティブラーニングを、やっている。』(東京書籍)がある。

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