貯金できない人は「貯まる仕組み作り」を知らない お金に「愛される人」「愛されない人」の決定差

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一方で、収入から考えて貯蓄額がとても多く、よくそれだけ貯められましたねという相談者にも出会います。だいだいは「お金、使えないんです。どうしても欲しいものもないし」と、ガマンして貯めたというよりも、使わなかったから貯まったパターンです。

お金を使いたいタイプか、使えないタイプか。お金との関係は性格に左右されるところがあるし、育った環境にも影響されるようです。しかし、性格や環境のせいにして、いつまでも貯まらないままでは、大人としてちゃんと生きていけません。貯まっている人も、せっかく貯めたお金を活かしてこそ、貯めた甲斐があります。そこで大事なのが知識です。

例えば、結婚して子どもを持ったら、いつどんなお金が必要になるのか、家を買うにはどれくらいの頭金を用意すればいいか、貯めるための金融商品にはどんなものがあるのか、そういった知識を身に付けると、先を見通して、今どうすればいいかを考えるようになるでしょう。

貯めたお金を使う場面を思い描くことで、貯めるモチベーションも上がることでしょう。知性で性格をコントロールする感覚です。少し長めの時間軸で考えることで、買い物をするときも、ほんとに必要なのか、今すぐ買うべきかを冷静に判断するようになります。

「貯まるシステム」を生活に組み込む

次は実践として、貯め癖をつけること。貯め癖をつけるとは、わざわざ意識して貯めるのではなく、貯まることが習慣になっている、つまり貯まるシステムを生活に組み込むことです。

それには、銀行の自動積立定期預金を使うのが一番。積立日は給与振り込み日の直後に設定します。給与が振り込まれたらすぐに定期預金に積み立てられるので、残ったお金で生活します。

勤務先に財形貯蓄がある人は財形貯蓄でもいいですね。収入の1割を自動積立定期預金や給与天引きの財形貯蓄にしてしまいます。しばらく続けてみて、1割貯蓄は大変か、余裕かなどを元に金額の調整を行います。

この貯め癖は、お金を使えないこととは違います。毎月必ず一定額を先取りで貯めているので、残りのお金は気持ちよく使ってよいのです。使う欲求もある程度満たされるので長続きします。しかも、いったん仕組みを作ったら、あとは金額のメンテナンス程度。残ったお金でやりくりすることを着実に実行するだけです。

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