記者が遭遇、JR只見線「再開1番列車」のハプニング 「避難はしごが壊れました」に車内は大爆笑

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車内放送では30分後とのことだったが、わずか9分後の7時38分、線路沿いの道路にJR東日本の係員を乗せたクルマが停まった。7時49分に「車両センターの係員が到着したので、これから処置を行います」という放送。7時54分にも「車両センター係員による点検中です」という放送があったが、7時56分には突如、「点検を行っていますが今後の運転計画は決まっていません」というアナウンス。少し車内がざわついた。「運転計画」という言葉に車内が反応したようだ。

8時06分にも「もうしばらくお待ちください」という放送があったが、8時16分に説明の内容が変わった。「ブレーキがかかったままで前に進むことができず、この状況が改善しません。修理の対応と並行してお客様の対応を検討しております」。

ついに恐れていた放送が…

8時23分には「どの手段でご移動いただくか、安全確保、移動手段の準備が整ってからご連絡します」。

そして、8時25分、ついに恐れていた放送が。「状況が改善せず、運転を中止しバスで移動します。最後部から下車しますのでそのままお待ちください」。車内のどこかから「あーっ」というため息が聞こえてきた。

これ以降のアナウンスは下車手順に関する説明なので割愛する。「只見から先、小出方面に向かう乗客と体調が悪い乗客」が最初に下車し、近くの踏切まで歩き、そこから代行バスで目的地に向かうという。「会津若松に戻る乗客」は車内で待機してほしいとのことだ。

列車停止から降車までのプロセスを見ると、車内放送は10回以上行われた。しかも、状況を丁寧に説明していたため、乗客も落ち着いていたようだった。また、車両センターの係員の到着まで30分かかると言っておきながらわずか9分で到着したのも、乗客をいらだたせないためのテクニックかもしれない。

一方で、「只見から先、小出方面に向かう乗客」とは、只見で下車する乗客を含むのか含まないのかがわからなかった。JRの係員に確認したところ「只見駅下車を含む」とのことだったが、この部分はわかりやすく説明したほうがいいと感じた。

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