「転職」よりも「日々の習慣変化」が幸福度を上げる 「節約」検索は時間の無駄で、ストレスの元凶

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そのうえでたとえば日用品を買う際、「この日用品を2ドル安く買うために3時間もオンラインで検索するのは合理的な行動だろうか」と考えてみてほしいのです。その3時間を使って自分の仕事をしたら、いくらの価値を創出できるでしょうか。あるいはその3時間、自分の好きなことに使ったとしたら、どれだけ幸せな気持ちになるでしょうか。このように考えれば、2ドルを節約するために、3時間も検索するというのは、まったく割にあわないことがわかるでしょう。

もし、私の夫が歯磨き粉を最安値で買うために1時間も検索していたら、「ねえ、50セントを節約するのに、1時間も大切な時間を費やすなんておかしくない?」と声をかけると思います。そうすれば夫も「たしかに言われてみればそうだな」と、大切な時間を浪費していたことに気づいてくれるはずです。

節約に使った時間を自分が幸福になるために使う

家や車など高額なものを買う際に、相応の時間をかけるのは理解できます。しかし問題は、多くの人々が100ドル以下の買い物をする際に、何時間もかけて最安値を探し回っていることです。この「最安値を探し回るための時間」は全部足せば、どれだけの価値を創造できるか、どれだけの面白い体験ができるか、考えてみてほしいのです。しかも、最安値を検索するために時間を使ってしまえば、ますます「タイム・プア」になりストレスは増すばかり。より不幸せな状況に陥ってしまいます。

私が提唱しているのは「お金を追求する前に、まずは幸せになるための時間を追求しましょう」ということ。私たちの人生にとって大切なのは、いかにお金の節約よりも時間の節約を優先できるか、いかにお金を稼ぐための時間よりも自分が幸せになるための時間を優先できるかなのです。ほんの少しの節約のために長々と検索する、店舗を回る、といった行動は、結果的に幸せにはつながりません。

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