ハワイで「コロナ陽性」…体験者が語る悲痛な教訓 9月7日に陰性証明書の提出義務はなくなるが…

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ハワイ島の夕日(写真:筆者提供)

水際対策についての議論は諸々あるが、個人的には無症状陽性で誰かの大切な人を危険な目に合わせることがなく、検査を受けてよかったと思っている。

コロナのことは一切忘れたかのように元の生活に戻っている国も多く、世界中のテレビ番組をザッピングしているとマスクをつけている出演者が登場するチャンネルは日本だけで、コロナ鎖国するほどのことか、という意見もある。しかし国によって文化も違えば、国民の考え方も違うし、人口密度も違う。

日本が正解とも、諸外国が正解とも言えないなかで…

世界一マスク装着率が高い一方、8月28日までに6週連続で感染者が世界最多となっている日本だが、懇切丁寧に食料を感染者に送ってくれたりする手厚い自治体もある国でもある。

検査を受ける人が激減した国との実数比較はもはや不可能であるし、諸外国は重症化率が下がったので制限を解除し人々は自由になったが、何かあってもお気の毒、で終わってしまう。この後に及んではすべて結果論になってしまうし、日本の対応が正解とも諸外国の制限撤廃が正解とも、誰にも分からない。

世界がこれほど振り回されたコロナという曖昧な宿痾、絶え間ない徒労のようなこのコロナ禍で、感染のリスクも感染対策もすべてどこにいても同じ状況となっている過渡期の現在、言えるのは、海外渡航したいならば、あらゆる可能性をシミュレーションしたうえで決断しよう、ということに尽きる。

繰り返すが、ワクチンを3回打たずに海外渡航した場合は、今後も陰性証明書がいる。まだまだ帰宅困難者のドラマや苦難は続きそうだ。

鮓谷 裕美子 ハワイ在住ジャーナリスト、編集者

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すしたに ゆみこ / Yumiko Sushitani

上智大学英文学科卒業後、主婦と生活社に入社。「東京カレンダー」編集部を経て、食べログにて「食べログマガジン」創刊編集長となる。2019年からハワイ島在住。現在はハワイ州観光局の公式ライターとしても活動。ハワイ島最新情報や、食と文化について広く執筆している。

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