BTSのRM語る「アート業界のために僕ができる事」 アートの世界でも一目置かれる存在に

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「でも10年後にアートと出会って、また本を読むようになったんです。本気で」。カリスマ性があり勉強熱心な彼は、有能な政治家か、ちょっと風変わりで愛される教授になれそうな気もする。

アート、絵画
RMのレコーディングスタジオ。写真左はユン・ヒョンクンの作品。右は李氏朝鮮時代の書家、キム・ジョンヒの作品(写真:Dasom Han/The New York Times)

RMは幼い頃から切手、コイン、ポケモンカード、珍しい石(高価なものではなく)、そしておもちゃのフィギュアを集めていた。HYBEのレコーディングスタジオには、大きなKAWSの「コンパニオン」が置かれているが、彼が集めたアート作品の多くは、もっと古いものだ。

KAWS
KAWSのコンパニオン(写真:Dasom Han/The New York Times)

ジョージ・ナカシマのテーブルには彼のワークステーションが置かれ、その背面上部にはユン・ヒョンクンの抽象画(3種類の蛍光絵の具の塊のみが描かれた絵)が飾られている。壁には20点以上の作品が掛けられており、その多くはパク・スグン、チャン・ウッチン、ナム・ジュン・パイクといった、20世紀を代表する韓国人アーティストの作品だ。

ベアブリック
ベアブリックもRMのコレクションの1つ(写真:Dasom Han/The New York Times)

「彼らの汗と血のようなものを感じる」

海外ツアーはRMに「韓国が自らのルーツである」ことを再認識させた。そして彼は自国のアーティスト、とくに朝鮮戦争や軍事独裁政権下、経済不安の時代を生き抜いた世代のものを収集している。こうしたアーティストはまだ国外ではあまり知られていない(ある業界関係者は、ほかのアイドルはもっとよく知られた一流のアーティストを好むと話す)。RMは「彼らの汗と血のようなものを感じることができました」と語り、「世界中に自らの作品を知らしめようとしている人間」として共感した。

BTSのリーダーはどうやら古風な魂を持っているようである。彼は「永遠(Eternity)をテーマにした芸術に惹かれるのは、K-POPの世界はスピードが速く、慌ただしいからです」と語る。彼の興味は過去に向いているが、しかし新しい芸術も学ぼうとしている(対照的に、彼のソロ活動は実験的で、刹那的でさえある)。

RMは、新進気鋭の美術商であるドゥヨン・ローが主宰するN/Aスペースでの夏の展示会をSNSに投稿したが、ローが言うには、それを見た人の中にはRMが実際にその作品を購入したと思っている人がいるようだ。実際は違うのだが。今もなお、RMの投稿は、たとえ名前や場所がわからなくても、多くの人を集めている。熱心なARMYたちはローの空間、シリンダーのインスタグラムも見つけ出した。「どうやって見つけたのでしょうね」。

村上隆、アート
上段はソ・スンウォン、村上隆の作品、中段にはキム・チョンハク、ウーゴ・ロンディノーネ、ユン・ヒョンクンの作品、下段右にはパク・スグンの作品が飾られている(写真:Dasom Han/The New York Times)

亡くなった偉人たちの作品に囲まれると「見られているような気がする」とRMは言う。「やる気が出てくるし、より良い人間になりたい、もっと良い大人なりたいと思うんです」。彼は「疲れていたり、落ち込んでいたりするときにここに立ち、彼らと会話をします」と言う。ユンの作品の前に立って「ユンさん、うまくいくかな?」と聞くこともある。

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