日本と韓国「歴史問題がどうも決着しない」深い訳 「死ねば水に流す」日本「死んでも許さない」韓国

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もちろん、いまは本気で「先祖の魂は不滅だ」などと思っている人はめったにいない。それでも長年の民族的記憶に刷り込まれたメンタリティーは、無意識に思考パターンに影響を与える。

現在でも韓国では儒教文化の影響か、「本来はこうあるべきだ」という観念論が強いのは、「過ぎたことは、もう仕方ないよね」と現実的な傾向が強い日本と対照的である。

「武士道vs.儒教」が歴史問題を長引かせる

そんな国が、「過去は白黒つけずに水に流す」という武士道の国と隣国関係にあるとき、

「なぜおまえはそうしつこい?」
「おまえこそ、なぜそう無責任なのか?」

という違和感につながるのは、やむをえないのかもしれない。

「死ねば許す国」と「死んだくらいでは許さない国」との文化的違いが、そこにあるのである。

では、この文化的違いからして、ヤフコメで大炎上するように、両国は永遠に相いれないので国交断絶したほうがよいのだろうか?

その答えは、ヤフコメで私をボコボコにするのではなく、「そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか」と検索していただければ、韓国へのイライラ、日本へのモヤモヤが完全解消する偉大な第一歩となることであろう。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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