「日銀の金融緩和は間違い、手仕舞いすべき」

エコノミスト・河野龍太郎氏に聞く

こうの・りゅうたろう●1987年横浜国立大学卒。住友銀行、大和投資顧問、第一生命経済研究所を経て2000年から現職。政府の審議会などの委員を歴任。近著に『金融緩和の罠(共著)』(集英社新書)など。(撮影:梅谷秀司)

BNPパリバ証券のチーフエコノミスト・河野龍太郎氏は、昨年末からの原油価格の急落は、FRB(米国連邦準備制度理事会)のQE3(大規模な証券購入による量的緩和策・第3弾)の終了が引き金になっており、そもそも、米国を中心とする先進国の金融緩和が資源バブルを引き起こしてきた、と説く。日本銀行による量的・質的緩和も間違った政策だとする。

原油価格急落の引き金はQE3の終了

2014年10月以降の原油価格の急落は、FRB(米国連邦準備制度理事会)のQE3(大規模な証券購入による量的緩和策・第3弾)の終了が引き金になっている。このことを中央銀行関係者が言わないのは、この間の金融緩和策に弊害があったことを認めることになるからだ。

11年後半に中国の高度成長が終了し、需要の急拡大が終わったので、本来は、そこから原油価格が下がるはずだった。ところが、米国を中心に、先進国のアグレッシブな金融緩和が行われた。具体的には、米国で11年にQE2に続くツイストオペ、12年9月にはQE3が開始された。

この金融緩和によって、過剰流動性が原油など商品市場に流れ込み、価格を押し上げていた。本来は原油価格の低下で期待できたはずの内需刺激効果を、金融緩和政策によって、相殺してしまったのが実態ではないか。

しかも、投機により、原油高が続いたために、資源開発ブームが止まらなくなってしまった。資源国のみならず、米国ではハイイールド債によって大規模な資金調達が行われ、シェールオイル・ガス開発に投じられた。かつての不動産バブルに代わって資源開発バブルが起きていた。過大なシェール開発が行われたがゆえに、供給過剰の問題が大きくなってしまった。

ところが、昨年10月にQE3の終了が決定されて、15年中にゼロ金利の解除や利上げが始まると強く意識されるようになり、投機マネーが急速に退出して、原油価格の急落が起きたのである。原油は構造的な供給過剰の状態にあるので、価格が大きく戻るということはないと見ている。

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