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今のエネルギー危機が過去と違うこれだけの理由 1970年代の石油危機以上の深刻なものになる

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日本でもガソリン価格の高止まりが続いている(撮影:梅谷秀司)

今のエネルギー危機は1970年代の石油危機と同じくらい深刻か。そんな疑問が世界各地で聞かれるようになっている。

答えはイエスだ。実際、この危機は70年代の石油危機以上に深刻なものとなる可能性がある。70年代の危機は石油だけが問題だったが、現在の危機は天然ガス、石炭、核燃料サイクルにまでまたがる。高インフレに火をつけているだけでなく、それまでグローバルだった市場を分断。混乱に対する脆弱性の増加から、経済成長を圧迫する要因ともなっている。おまけにウクライナ侵攻で生じた地政学的な危機も加わり、大国同士の対立も一段と深まった。

だが、今のエネルギー危機はロシアのウクライナ侵攻で始まったわけではない。この危機はむしろ、新型コロナ禍からの昨年の経済回復過程で世界のエネルギー需要が急増したことが発端だ。昨年、中国は石炭不足に陥り、石炭価格が跳ね上がった。液化天然ガス(LNG)も国際需給の逼迫から高騰。石油価格も上昇していた。

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