義務化も露呈!「ストレスチェック制度」の限界 「ただ受けているだけ」状態の人も少なくない

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寝不足になると、少しのことでもイライラしたり、気持ちが不安定になったりしますが、これは視床下部の脳細胞が「酸化」を起こしている証拠です。

90分毎に呼吸法を取り入れるだけで変わる

全身の細胞をメンテナンスするのに必要な、理想的な睡眠時間は7時間です。 

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しかし、繁忙期などで、7時間の睡眠時間確保は難しいときもあるでしょう。

そんなときは、呼吸法を生活の中に組み込んでみてください。

日中のワークタイムに、60〜90分毎に1回ずつ、3分間程度、根来式呼吸法である「4・4・8呼吸法」を行うことで、自律神経のバランスが整って、睡眠時にしっかりと副交感神経が上がることが検証で分かっています。

ただしどうしても睡眠時間を削らなくてはならない場合でも、最低でも4時間半は確保したいものです。これが最低限のラインです。 

さらに睡眠不足が3日以上続くと体内時計などが大幅に乱れてしまってリカバーしにくくなるので、できるだけ3日以内に帳尻を合わせることも心がけてください。

ちちなみに「4・4・8呼吸法」は、私が開発した呼吸法の中で、最も広く浸透しているものです。 

4秒で吸って、4秒息を止め、8秒で吐くというシンプルな呼吸法ですが、「緊張緩和」「ストレス解消」「不安解消」などにてきめんに効果があります。

ポイントとして、息を吐く場合は、お腹を絞るようにしっかり息を吐ききることです。

また根来式呼吸法では、必ず鼻から吸って鼻から吐きます。

この呼吸法を3分も行えば、それだけで横隔膜がゆっくり緩んで、自律神経の副交感神経を高めてリラックスできます。 

根来 秀行 医師、医学博士

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ねごろ ひでゆき / Hideyuki Negoro

東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、東京大学客員フェロー、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。企業やトップアスリートのアドバイザーも務める。『ウイルスから体を守る』(サンマーク出版)、『ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の超呼吸法』(KADOKAWA)など著書多数。

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