大型新規上場、大塚グループが直面する2015年の試練

特に米国では、統合失調症のほかに、大うつ病補助療法、注意欠陥・多動性障害(成人)の適応(効能)で開発が行われており、発売後早期に大きな売り上げの獲得を狙う。OPC−34712について、大塚製薬は11年中にフェーズ�への移行を計画している。これら2薬は収益の100%が大塚グループに帰属することもあり、「15年4月のエビリファイ特許切れ後の利益の落ち込み幅をかなり吸収できる可能性がある」と前出の村岡氏はみる。

一方、酒井氏は「注射剤や新薬OPC−34712でエビリファイの落ち込みをカバーできると言い切れる状況にはない」と分析。「米国での販売網強化も課題。自社で売っていくには、MR(医療情報担当者)の大幅な増員が必要。新薬パイプライン(開発品目)の強化も不可欠」と指摘している。

非医薬品は赤字状態 待たれる有力製品

医薬品事業でのもう一つの「最重点領域」(樋口達夫・大塚HD社長)はがん領域だ。エビリファイの契約更新と同時に、大塚製薬はブリストル社が持つ抗がん剤スプリセルおよびイグゼンプラに関して、日米欧でのコプロモーション(共同販売促進)契約を締結。20年までに売上金額に応じた分配金を受け取ることで合意している。子会社の大鵬薬品工業が自社開発した抗がん剤ティーエスワンとともに、がん領域の柱に育てていく。バイオベンチャー企業のオンコセラピーサイエンスと共同開発を進めているすい臓がん治療ワクチンも、フェーズ�でいい結果が出れば、期待が高まるだろう。

他方で、大塚グループのもう一つの柱であるニュートラシューティカルズ(NC)関連事業や消費者関連事業は、収益力の強化が最優先課題。これらの事業は、著名な製品を数多く持つ「グループの顔」としての存在だが、株価にはほとんど寄与していないとみなされている。

「ポカリスエット」によって圧倒的なシェアを築いた大塚インドネシア、買収した米ファーマバイト(サプリメント「ネイチャーメイド」で高シェア)やニュートリション&サンテ(フランス)など、海外では高い収益力を誇る子会社も少なくない。その反面、国内では消費不況下での過当競争に巻き込まれ、利益が出ない体質に陥ってしまった。 

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