イスラム国の蛮行を英メディアはこう報じた 日本がテロ戦争へ参加するかどうかを注視

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2日付の英ガーディアンとインディペンデントは後藤さんの母の写真を大きく使う紙面を作った

1月末に発覚した、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」による2人の日本人拘束事件は、1日までに両者の殺害と言う最悪の顛末を迎えた。同組織が人質の殺害を動画にしてネット公開するパターンは昨年夏に俄然注目を浴びた。

米国人ジャーナリストの斬首動画を皮切りに、欧米のみならず中東諸国出身の人質の殺害場面を含んだ動画が次々と公開されている。すでに複数の人質をこのように殺害された経験を持つ英国で、メディアは、今回の日本人人質事件を大々的に報道してきた。いったい英国メディアはどのように報じたのだろうか。

昨年8月19日、イスラム国武装勢力に拘束されていた米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏の斬首場面が入った動画がネット公開され、世界の度肝を抜いた。動画に登場した覆面をした男性は、米国がイラクへの軍事介入を止めなければ別の米国人ジャーナリトも殺害すると脅しをかけた。このジャーナリストも殺害された。

イギリス人も2名が犠牲に

9月には人道支援のためにシリアにいた英国人デービッド・へインズ氏、そして同様の目的でシリアに渡った別の英国人アラン・へニング氏も殺害された。いずれの場合も殺害の様子を撮影した動画が公開され、家族や友人、知人らに大きな悲しみをもたらした。

英国政府は人質の拘束者に身代金を支払わないことを明言しており、家族はさまざまなメディアを通じ、同武装勢力に助けて欲しいと懇願したが、いずれの願いも聞き入れられずに終わった。これ以前にもイスラム教過激派組織が英国人を人質にし、英国の中東政策の変更を要求したケースが複数あった。英政府はこれに応じず、殺害されたケースも多い。

こうした経験を積んできた英国で、メディアは今回の日本人人質拘束事件をこれまでの一連の人質事件同様、大きく報道した。日本で報道された事件の経緯はほとんどが、英国でも報道されたと言って良いだろう。

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