フランスが「日本の旅行再開」に熱視線を送る事情 2023年のラグビーワールドカップを呼び水に

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トゥールーズの地元ラグビークラブ、スタッド・トゥールーザンが国内リーグで優勝し盛り上がる市民たち(2019年、写真:© Carbonnel Francois - RegionOccitanie)
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これまで段階的に緩和されてきた新型コロナウィルスによる日本の出入国規制が、6月からさらに緩和された。

各国におけるオミクロン株の流行状況やリスクを総合的に判断し、国および地域を「赤」「黄」「青」の3つに区分。もっとも軽度の「青」の地域から入国する場合は、ワクチンの3回目接種を受けていなくても入国時検査は実施されず(ただし渡航先出国時の検査証明書は必要)、入国後の自宅等待機も求められない。

すでにヨーロッパ域内では、国外との行き来の自由度が高くなっているが、いよいよ日本も本格的にポストコロナとして海外との接点を再び開いていく。

フランスは観光客の受け入れ体制整備へ

世界的に観光需要が回復傾向にあるなか、世界トップの観光立国は各国の開国状況を見極めつつ、観光需要の高まりを見据えて受け入れ態勢を整えつつある。そのうちの1つがフランスだ。フランスは国際観光客到着数で常にトップを走っており、観光産業はGDPの7%を占めている(世界観光機関)。今回の日本の水際対策見直しでは、フランスからの日本入国は「青」になった。

日本のこの“開国”を世界有数の観光大国であるフランスはどう見ているのか。

ランデブーアンフランス2022の会場の様子(写真:筆者撮影)

今年3月にフランス西部の町ナントで、フランス最大の旅行産業の見本市「ランデブーアンフランス2022」が開かれた。

2019年以降はコロナ禍による中止が続いたため、実に3年ぶりの開催だ。同3月にはロシアのウクライナ侵攻が始まり、コロナから再スタートを切ろうという雰囲気に水を差される形にはなったが、会場内には668のフランス企業のブースが立ち並び、そこに57の国と地域から587人の旅行会社関係者が来訪した。

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