性的マイノリティと共に生きる、新宿の牧師 毎週日曜日は、会議室が教会に早変わり

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中村吉基さん

中村吉基(よしき)さんは東京・新宿でキリスト教会の牧師を務める。毎週日曜日には教会で信徒たちに向き合う。また、全国からメールでの相談を受けることも多々ある。そのかたわらで週日はフリーランスの編集者・ライターとして出版社でフルタイムの校正の仕事をし、また在宅で帰宅後の夜間や休日にキリスト教関連の雑誌編集など、いくつかの出版社の仕事も請け負っている。

中村さんが牧師を務めるのは「日本キリスト教団新宿コミュニティー教会」。教会の場所は、地下鉄新宿3丁目駅から徒歩7分の「ホテルたてしな」会議室だ。毎週日曜の礼拝の時間だけ、会議室が教会に早変わりする。

日本において、クリスチャンは少数派で、人口の0.8%にとどまる。クリスマスやバレンタインデーといった行事こそ消費文化の中に定着しているが、信者の数は意外に少ない。ただ、中村さんの解釈はとても柔軟だ。

「たとえクリスチャンでなくても、ホームレスや社会の片隅に追いやられている人の支援などのために働いている人は、聖書にあるイエスの精神を体現していると思います」

母方にはクリスチャンが多かったが、両親は浄土真宗。自分自身は、お墓などの形式はこだわらないという。

中村さんがクリスチャンになった理由

クリスチャンになったのは小学校2年のとき。ウイルス性の髄膜炎にかかり、生死の境をさまよった。退院した1カ月後に、子ども心にふと思い立って近くにある教会の扉をたたいた。以来、引っ越し先でも教会に通い続けた。高校教師や編集者を経て、2000年に牧師になるための勉強を始めるために神学校に入学した。

ひとつのきっかけは1995年、アメリカへの旅。ニューヨークでエイズ患者が教会から排除されていることを知った。9年後の2004年、新宿コミュニティー教会が生まれた。教会のウェブサイトを作ったのは、中村さんのパートナーであるAさん。ビジネスパーソンでもあるAさんは、中村さんと出会い、その生き方に感銘を受け、クリスチャンとなり、今は一緒に教会を支えている。

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