東大生作家、西岡壱誠氏が語る「大学受験」のコツ 科目横断的視点がなければ受験に対応できない

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固く考えてしまいがちだが、大学の学問はわれわれの生活に密着しているものも多い。例えば、経済学部で学ぶゲーム理論のナッシュ均衡は「文化祭の出し物が被らないためにはどうすればいいか」という問題の解決に役立つ。

「逃げ」の選択をしないことが重要

──総合型選抜など一般選抜以外の選抜方法も増えてきています。

明確な夢や目的がある人、特定分野に才能がある人は、それに関連した学部軸で選ぶことが必要だ。こういう人は、志望理由やその大学・学部で学びたいことが入試で問われる総合型選抜や海外大学が向いている。

一方で、かつての私のように「やりたいことがよくわからない」「これまで流されて生きてきたが、持てる情熱を何かにぶつけたい」と感じている人たちもいるだろう。その場合は、先ほど述べた方法でとりあえず志望先を決め、一般選抜を目指すといい。

重要なのは逃げの選択をしないこと。よくあるのは、「入試に必要な科目数が少ないから、東京大学ではなく別の国立大学にする」「数学ができないから私立文系にする」というパターン。数学から逃げたりすると、その後に困る。

──文系でも数学は必要だと。

私大文系で、割合の計算ができないばかりに、英語が読めても正解にたどり着けないということがある。

反対に、数学の問題でも語彙力が必要な問題がある。他科目の知識や教養がないと解けない問題は意外と多い。入試に受かりづらいし、受かっても苦労する。

もはや社会の試験を暗記だけで乗り切るという時代ではなくなった。大学入学共通テストも科目横断的な問題を多く出すようになった。そうした勉強にシフトしていかなければ対応できない。

国公立大の場合、文系であっても数学が必要で、理系であっても社会などの科目が必要。満遍なく勉強することで、リベラルアーツ(教養)の素地ができた状態で大学に入ることができる。

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