29歳妻が愛してやまない「ヘンな夫」の愉快な生態 35歳夫の初対面の印象は「相当にスパイシー」

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「一緒に山登りをして9時間ぐらい過ごしても平気でした。4回ぐらい連続してデートしたと思います。でも、真剣交際の返事は待ってもらっていました。最初の印象と、その後の素直に笑っている感じのどちらが本当なのかがわからなかったからです。私は怒鳴られたりすると萎縮してしまうので、高圧的な相手だと困ります」

一緒に食事できないことが懸念だったが…

女子高と女子大育ちで男性経験が豊富ではない雅美さん。武彦さんとの生活時間帯の微妙な違いも気になった。老舗メーカー勤務の自分は9時前には出社して17時過ぎが定時。海外事業担当の武彦さんは時差に対応して朝10時から19過ぎまでが勤務時間。コロナ禍で在宅ワークが基本だ。

「彼が寝ていたら朝は1人で朝食を食べなくちゃいけません。帰ってきても彼は仕事中だと夕食も遅くなります」

料理好きで食べることを重視している雅美さんとしては大きな懸念事項だった。しかし、結婚というふたを開けてみたら、雅美さんの影響を受けて武彦さんは料理に目覚めた。朝は先に起きて、寝起きが悪い雅美さんのためにピザトーストやハンバーガーを手作りしてくれる。

「スーパーの食材でこんなにおいしいものができるとは知りませんでした。雅美さんはひと手間かけているんです! ルクルーゼをプレゼントしてもらい焼き豚をじっくり作ったりしています。ルクルーゼのどこが優れているのかと言えば……」

また話が長くなりそうなのでそろそろ引き揚げることにしよう。慎重な雅美さんは芯が強くてリーダーシップもある女性だと感じた。一方の武彦さんは空気を読むのは苦手で適応能力も低いけれど素直さがあり、一度ハマると力を継続的に発揮する。

生まれも育ちも性格も異なる2人が惹かれ合い、補完し合って暮らし、今では似た者夫婦のようになっている。新居を出て駅までの道を途中まで送ってもらい振り返ると、同じような笑顔で手を振り続けている2人が見えた。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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