築40年超マンション買った夫婦を襲った衝撃事実 フルリノベーションの超優良物件と思っていたら

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「えっ? だって1年半ぐらい前にかなり修繕積立金が値上げされましたよね?」

「ええ。でも足りないそうなんです。不足金は1住戸に試算するとおよそ450万円ほどになるとか……私も年金暮らしなのでこれ以上値上げされると生活していけません」と言う。

自己管理物件の落とし穴

「どうなるんでしょうか?」と明美さんが聞くと、

「このマンションはずっと自主管理だったんですよね。5年ほど前にいまの管理会社に部分的に委託することになって、問題がいろいろと出てきまして。

このマンション築40年を超えてますけど、大規模修繕といえるほどの工事は1度しかしておらず、早くしないと、外壁のタイルが浮いていて地震などがきたら落下する危険があるそうです。それに壁もヒビ割れがひどくて、しかも進行性なのでこのままいくと鉄筋が腐食して構造物にも影響するそうなんです」

「その修繕をするために、そんなにお金がかかるんですか?」と明美さん。

「そうらしいんです。大規模修繕をするための修繕費がいままで貯まっていなかったようなんです。確かに十数年前まで修繕積立金は毎月1000円ぐらいだった気がします。それに……」

「それに?」と明美さんが促すと、純子さんが答える。

「戸数が少ないので1戸当たりの負担が大きくなってしまうのと、ずっと自主管理だったので、いろいろとうやむやで。わずかばかり貯まっていた修繕費も以前住んでいた理事長が使い込んだかもしれないというんです」

「その部屋って? まさか?!」

「そうなんです。いま高橋さんが住まれている部屋の前の持ち主が数年前に出て行かれるまではずっと理事長をされていて……管理会社の担当者が疑問を持ったのがきっかけでわかったんです。でもずっとまかせっきりで管理に関心がなかった私たち住民も悪いんです」

あまりのショックに、明美さんはそのあとの会話はあまり頭に入ってこなくなったという。

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