宗教ごとに休める!マレーシアの"超多様性" 「多様性の理解」を突きつめるとこうなる!

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マレーシア投資開発庁 所長のモハマッド・ハシムさん
 日本企業の進出先として根強い人気のあるマレーシア。マレー人、インド人、中国人、インドネシア人など、さまさまな人種の人が住んでいるため、「多様性を理解すること」は彼らにとって当然のマナーだ。そのため、日本人や欧州人といった異文化の流儀に合わせることも容易なのだという。
 多様性への配慮から、キリスト教や仏教など、それぞれの宗教ごとに祝日が設けられているというのだから驚く。マレーシア投資開発庁 所長のモハマッド・ハシムさんに、そうしたマレーシアの文化・常識について聞いた。

各宗教の休日が、国の休日に!

――マレーシアへ進出する日本企業は毎年増えるばかりですね。なぜマレーシアがこれほど支持されるのだと思いますか?

マレーシアの強みのひとつとして、多様な人種が挙げられます。マレーシアにはマレー人はもちろん、インド人、中国人、インドネシア人などさまざまな人種がいます。会社の中で多様な国の人が働いていますので、ビジネスのターゲットが中国であれば中国人が担当し、インドだったらインド人、マレー国内ではもちろん全員が対応でき、それぞれの強みを生かしてビジネスを進めることができます。

私たちは各国の文化や習慣をよく理解しています。小さいときから周りに異なる文化や宗教、習慣を持つ人がいるのが当たり前なので、教育や生活の中でも適応しながら過ごしてきました。マレーシアでスーパーに行ってみてください、いろいろな国の食材がありますよ。

たとえばランチミーティングでも、ヒンドゥー教の方と一緒のときにはビーフを食べませんし、イスラム教の方は豚を食べずアルコールも飲まない。お互いを尊重しています。だからこそ、それぞれの文化を理解したビジネスを行うことができるのです。

また文化の違いがあるからこそ、ビジネスがスムーズに行くことがあります。マレーシアでは基本的に宗教的な休みの日はパブリックホリデー(国が定めた休日)になっています。

2月はチャイニーズニューイヤー、5月はヴィサッ・デー(お釈迦様の誕生日)、ラマダン、ハリラヤ・プアサ(ラマダン明けを祝う休日)、11月のディパバリ(ヒンドゥー教徒のお祝い)、12月のクリスマスなど多様な宗教のお休みがあります。

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