「フードロスゼロ」とことんやれば食費ゼロに? 東京の片隅で展開される「完全なる循環型社会」

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なのに、その稀少で貴重なお金を自らドブに捨ててしまうのはなぜなのか。普通に考えれば、これでは金などどうやってもまるはずもない。まさしく穴の開いたバケツで水を汲むようなもの。なのに、多くの人がなかなかこの行動を変えられない。それはいったいなぜなのだろう?

無論、ここには流通システムなど複雑な問題が絡みに絡んでいるのだが、ここではその話は脇へ置いておく。

こと家庭において、すなわちあなたの家において、なぜ食品ロスは次から次へと発生してしまうのか?

インターネットを検索すれば、いくらでも答えらしきものは出てくる。「買いすぎ」とか「作りすぎ」とかね。でもみんなわかっちゃいるけどやめられないからこそこうなっているのだ。ってことは、結局のところその「本当の理由」は誰も知らないってことなんじゃないかと私は思う。

例えば、無駄な買い物はやめようと叫ばれているわけですが、確かにこの超単純なことを徹底するだけで家庭のフードロスはなくなるに違いない。でもそれが言うほど簡単じゃないからこそフードロスがこれほど出まくっているわけで、問題は、いったいなぜ、我らは「無駄な買い物」を、できればやりたくないと思っているのにどうしてもやってしまうのかということなのではないだろうか。

この「なぜ」が解明されない限り、多少の注意喚起や意識向上を図ったところで、いつまでたっても物事は変わらないと私は思う。

7年間「フードロスゼロ」を続けて気づいたこと

そう。なぜなのか? なぜ我々は苦しい家計の中から食べ物を買い、そしてそれを食べもしないでむざむざと捨て、環境にも世界平和にも家計にもダメージを与え続けてしまうのか?

はい。不肖私、その答えを多少は知っているつもりである。

なぜなら、私はかれこれ7年ほど「フードロス」というものをまったく出さない生活をしているからである。そしてそれ以前には多くの方と同様、普通にフードロスを出しまくっていたからである。

ってことは、注目すべきは7年前ということになる。7年前、いったい何が起きたのか? それを見れば、フードロスを生み出している根本原因が明らかになるはずだ。

……あ、なんか名探偵ポアロの謎解きのようになってきましたね。書いていてちょっとドキドキしてきました。

と、勝手に盛り上げたところで誠に申し訳ないのだが、その7年前の出来事についてはいずれ書くとして、まずは、現在の私の「フードロスゼロ生活」の実態からご紹介させてこうと思う。

次ページ「次元が違う」フードロスゼロ生活の実態
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