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求められる「居住支援」の強化 離職や休業で家賃を払えない人が急増

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日本福祉大学 福祉経営学部教授 藤森克彦(ふじもり・かつひこ)1965年生まれ。長野県出身。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院行政学研究科修士課程修了。日本福祉大学にて博士号(社会福祉学)取得。2017年から現職。みずほリサーチ&テクノロジーズ主席研究員も務める。専門は社会保障政策。著書に『単身急増社会の希望』など。(撮影:尾形文繁)

コロナ禍で、自治体などの困窮者相談窓口に来た人の困り事を見ると、62%が「住まいの不安定・家賃の支払い」を挙げていた。離職や休業のために家賃を支払えず、住まいが不安定になった人が急増した影響であろう。

これまで日本の住宅政策は持ち家取得に重点が置かれ、借家に住む人への支援は脆弱であった。それでも、近年、新たな居住支援策が導入されている。2017年に始まった「新たな住宅セーフティネット制度」はその1つである。

この制度は、高齢者、低所得者、障害者、子育て世帯などの「住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)」を支援するものだ。要配慮者は、孤独死、家賃滞納、トラブルなどのリスクがあるとして、大家から入居を拒まれる傾向がある。一方、全国で空き家・空き室は増加している。そこで、リスクのために貸したくても貸せない大家と、要配慮者をマッチングする制度である。

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