リース業界が猛反発 新会計基準案の問題点

新たなリース会計基準をめぐる議論が過熱している。

国際財務報告基準(IFRS)を作成する国際会計基準審議会(IASB)は、2010年8月に草案を公表し、意見を募集。締切日となった同年12月15日には、国内のリース業をはじめ、不動産や海運などリースの利用頻度の高い業界が相次いで反対の意見書を提出した。海外のリース業界の多くも、歩調を合わせたもようだ。

反対する理由は、草案どおりの基準が採用された場合の影響が、あまりにも大きいためだ。

草案のポイントは、大きく二つ。一つは、リース利用のメリットともいえる「資産・負債のオフバランス化(貸借対照表に計上しない取引)」の全廃。もう一つは、リース契約期間にかかわらず、実質使用期間を見積もり、リース物件を現在価値に引き直して計上する、というもの。これを航空機リースといった大規模資産のみならず、小口、短期のリース取引にも適用する方向だ。

自己資本低下の懸念 会計処理も煩雑化

日本の場合、2007年3月に会計基準を変更。リースを利用する会社が物件の購入代金や諸費用のほぼ全額をリース料として支払い、中途解約できないファイナンスリースの会計処理については、通常の売買に近いとして、すでにオンバランス化されている。

ただ今回の草案は、リース満了後に中古市場などでの物件の売却を見込んで残価設定をするオペレーティングリースについても、オンバランス化する方針を示している。

つまり、リースを利用していた企業は、資産が膨張し、自己資本比率が急激に低下するリスクがあるのだ。さらに、リースを利用する企業からは、「会計処理、事務対応が極めて煩雑化し、関連コストも増大する。リース活用をやめざるをえなくなる」(大手製造業の関係者)との声が上がる。

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