習近平はマルクスに比肩するとの解釈もできる決議内容。ただし歓迎ムード一色ではない。
11月11日、中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議(六中全会)が閉幕した。会議の目玉は、「党の100年間の奮闘の重大な成果と歴史経験に関する決議」の採択だ。中央委員197人と候補委員151人が、総書記・習近平の用意した「討論稿」を審議・可決した。
だが奇妙なことに、14日時点で、「第3の歴史決議」の本文は未公表だ。中国では数カ月前から、毛沢東、鄧小平時代の各歴史決議に関する報道が繰り返され、第3の決議を迎えるムードづくりが進められてきた。実質的な公表延期は肩透かしの印象を与える。
決議の主な内容や当局側の意図は、会議コミュニケと12日午前の記者会見で先に伝えられた。「習はこの決議によって、自分を毛沢東に並ぶ存在と位置づけようとした」というのが一般的な評価だ。
しかしコミュニケに基づけば、その解釈は妥当ではない、と筆者は考える。習が肩を並べようとしているのは、毛ではなくマルクスではないか。
共産党の公式文書は慎重に作成される。だからコミュニケも歴史決議の内容をほぼ忠実に反映していよう。歴史に関する部分は、建党から胡錦濤までが2387字(うち毛の時代は459字)で、習の時代が3910字。全体の62%が習時代の成果をたたえる内容だ。
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