トヨタが短時間車検を是正 販社との関係再構築が急務

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系列販売店で相次ぐ不祥事。国内独り勝ちの中、どう軌道修正するのか。

今年3月、愛知県内の最大手のディーラーグループで大規模な不正車検が発覚した

「トヨタからの通達があったので、すべて45分で完了するといった誤解を生まないように短時間車検の名前を変えた」

トヨタ自動車系の販売会社、トヨタカローラ名古屋の幹部はそう話す。同社では「でらはや45分車検」と銘打った短時間車検を8月上旬まで展開していたが、お盆休みを挟み、「でらはや車検」に改めた。短時間車検自体は続けている。

系列販売会社で相次ぐ不正車検の発覚を受けて、トヨタは8月3日、全国の販売会社に通達を出した。車検の名称を顧客に誤解のないものにすることに加え、「車種・年式・追加整備によっては、作業時間が長引く、後日改めて整備する場合がある」などの例外表記をわかりやすく、必ず記載するよう求めている。

前出の通達から程なくして、トヨタは自社のホームページから「プロの技術で45分で車検完了」という文言を削除した。もともと、販売店や整備内容によって作業時間が異なることは明記していた。ただ、不正車検が発覚したネッツトヨタ愛知や直営のトヨタモビリティ東京の店舗で、時間内に済ませようとして適切な作業を行わない、いわば「時間の目的化」が不正を招いた事態を重くみた。トヨタ幹部は「メーカーの統一商品として45分車検や60分車検を展開したことが間違いだった」と認める。

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