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官需への依存続くロケット 世界最高技術でもコスト高

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三菱のロケットは官需頼み。世界中で需要が増える民需に対応できるか。

種子島宇宙センターから打ち上げられる「H2A」。打ち上げは43回中42回成功(写真:三菱重工)

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98.1%──。三菱重工が運用してきたロケット「H2A」と「H2B」の2機種を合わせた打ち上げ成功率は、信頼性の世界水準である95%を上回る。とくに2020年5月に最終機を打ち上げたH2Bは成功率100%を達成。有終の美を飾った。

両機種とも同社が宇宙航空研究開発機構(JAXA)と開発した日本の基幹ロケットだ。ロケットに必要な主要技術をすべて国内開発した「H2」は成功率71.4%と産みの苦しみを味わったが、改良型のH2Aでようやく国産ロケットの技術力の高さを示した。

三菱重工の航空・防衛・宇宙セグメントの20年3月期の売上高は7049億円。詳細は非開示だが、同社やJAXAの関係者らは「ロケット関連の売り上げ規模は1000億円程度で損益は黒字」と話す。航空関連事業がコロナ禍で苦戦しているほか、防衛関連事業も時期によって受注にばらつきがある。その中でロケットなどの宇宙関連事業は安定した支えといえる。

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