ついに始動した大日本印刷とドコモの「強者連合」 電子書籍の覇権はいずこへ

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ついに始動した大日本印刷とNTTドコモの「強者連合」、電子書籍の覇権はいずこへ

電子書籍プラットフォームの「強者連合」が、ついに始動した。

NTTドコモと大日本印刷、大日本印刷傘下のCHIグループによる共同事業会社、トゥ・ディファクト(出資金9億8000万円、出資比率は大日本印刷51%、NTTドコモ40%、CHIグループ9%)は1月12日、ドコモのスマートフォン、ブックリーダーなど向けの電子書店「トゥ・ディファクト (2Dfacto)」を開設した。

当面、ドコモの「Xperia」、「GALAXY S」など7機種に対応し、今後発売されるドコモのスマートフォン、ブックリーダーについても、順次対応を行う予定だ。

大日本印刷は昨年11月25日に、直営の電子書籍販売サイト「ウェブの書斎」をリニューアルし、パソコン、iPhone、iPad向け電子書籍サービス「honto(ホント)」をオープンした。トゥ・ディファクトでは、このhontoで扱う文芸書、コミックを中心とした約2万点の電子書籍を販売し、今春には扱う電子書籍を約10万点まで拡充する予定。5年後には、電子書籍市場全体の2割程度、500億円の売り上げを目指している。

トゥ・ディファクト開設の狙いについて、ドコモの辻村清行副社長は記者会見で、「(昨年10~12月に行った電子書籍配信のトライアルサービスについて)全体で約40万件のダウンロードがあり、文芸書が思ったよりも多かった。携帯端末でもユーザーが文字を読むことにあまり抵抗感がないことがわかった。電子書籍は(データ通信の)トラフィック増の実現に貢献しうるコンテンツ」と話した。

またhontoは、オンライン書店bk1とのシステム統合や、CHIグループのリアル書店である丸善とジュンク堂(2月1日よりCHIグループ傘下)、同じく大日本印刷子会社の文教堂と連携することにより、電子書籍と紙の本のシナジーを追求した、「読みたい本に必ず出会える」ハイブリッド書店への展開を目指している。

具体的には、リアル書店、オンライン書店、電子書店での購入に付与する共通ポイントや、在庫情報を共有することによる総合検索サービス、書籍と電子書籍のハイブリッド商品の企画・販売などを視野に入れている、という。

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