有料会員限定

日本橋高島屋再開発、「借地権者水増し」の手口 Part3 再開発に潜む影|進化する地上げ、知られざる実態

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

昨年9月に華々しく開業した商業施設。その再開発を支えた手法に迫る。

高島屋は再開発効果で日本橋店の入店客数が大幅に増加した(撮影:尾形文繁)

特集「沸騰! 再開発バトル」の他の記事を読む

週刊東洋経済 2019年6/29号
書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

「この手口なら反対派に気づかれないように再開発を進めることができる。これが許されるなら何だってできてしまう。バブル時代の手荒なやり方より、よっぽど有効かもしれない……」

長年、再開発に関わってきた企業幹部があきれ顔で言う。その手口とは、「借地権者の水増し」だ。

5人以上が共同で市街地再開発を行うには地権者の3分の2以上の同意が必要だ。地権者とは、土地の所有権を持つ所有者と、土地を借りて建物を建てる権利を持つ借地権者のこと。それぞれ3分の2以上の同意が求められる。

同意者が足りなかったら同意する借地権者を水増しすれば、3分の2以上を確保できる──。実は都内一等地でこの手法が使われたと疑われる場所がある。

その場所とは、東京都中央区日本橋2丁目だ。昨年9月に開業した商業施設「日本橋高島屋S.C.」を含む一帯である。再開発の主な担い手は、高島屋のほか、同区域にオフィスビルを持つ太陽生命保険、そして日本橋に本社を構えその周辺で多くの再開発を手がける三井不動産だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
沸騰! 再開発バトル
再開発ブームが見過ごす課題
当事者たちが語る内情
数多くの裏紳士が暗躍
Part3 再開発に潜む影|進化する地上げ、知られざる実態
福岡|歴史的な再開発ラッシュに沸く
大阪|続く需給のミスマッチ
名古屋|トヨタ依存経済という足かせ
横浜|足かけ36年の悲願
Part2 沸き立つ地方都市|タワマン、商業施設が続々と
首都圏再開発エリア
竣工までに30年以上必要なことも
不動産市場の専門家が語る
オフィスビルの地殻変動
オフィス活況の裏側
インタビュー|東急の渋谷か三井の日本橋か
Part1 再開発最前線|渋谷、五反田、田町、日本橋…
沸騰! 再開発バトル
徹底検証「不動産好況」はいつまで続くのか
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内