有料会員限定

四川省で党幹部銃撃、追い詰められる官僚たち 「断崖式降級」におびえる売官買官エリート

✎ 1〜 ✎ 100 ✎ 101 ✎ 102 ✎ 最新
拡大
縮小

四川省攀枝花(はんしか)市で党幹部が官僚に銃撃される事件が発生した。政府による苛烈な汚職処分で、官僚たちへのプレッシャーが増している。

昨年3月の全人代で汚職撲滅の報告をする最高人民検察院の曹建明検察長。5.4万人が摘発された(AP/アフロ)

年が明けてまもない1月4日。四川省攀枝花市で全国を騒がせる銃撃事件が発生した。

もちろん単なる銃撃事件なら中国でも珍しいことではない。だが、被害者が攀枝花市の党委員会書記と市長、加害者が同市国土資源局の現役局長となれば騒ぎにならないはずはない。

市国土資源局局長の陳忠恕は、同市会議展示センター会場に乱入し、会議中の被害者二人に向かって突然発砲した。二人は負傷したが命に別状はなく、その後、加害者の陳は同建物内で自殺した。

銃撃の動機は明らかになっていないが、その背後には官僚の腐敗に対する厳しい締め付けがあるのではないかとの観測が流れた。

事件の背景を、「問責制度が関係している」と語るのは、党機関紙記者だ。「昨年、官僚の責任を明確化する問責制度が確立されて以降、従来収賄の仲間だった官僚同士が、突然、処分する側とされる側になって対立するケースが目立っている」。

攀枝花市の事件は、局長と書記に感情的な対立があり、局長が激高型の人間だったとも報道されているが、書記と市長がそろって狙われたのは、二人に何か恨まれる理由があったからと考えるのが自然だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内