JALのリストラは最終段階、クリスマスにストでも平常運航、労組に漂う無力感

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1対3の圧迫面談

JALはパイロットと客室乗務員を200人整理解雇する見通し。これを多いと見るか、少ないと見るか微妙なところだが、少なくともこれで一連の大リストラは最終幕を迎える。

今月9日に締め切った追加募集には、パイロットと客室乗務員が、各20人前後応募した。しかし、目標には届かず、パイロット90人、客室乗務員70人、休職者40人の合計200人が整理解雇される見通しだ。

暮れの寒空の下、解雇通知を受け取る辛苦は想像を絶するが、経営破綻直後には、グループ全体の3分の1に当たる1万5000人の削減が打ち出されたのを考えれば、「整理解雇が200人規模に収まるのは奇跡的」(中堅管理職)ともいえる。

会社側は27日まで希望退職を受け付ける方針だが、これまで希望退職に応じた社員も決して自主的に申し込んだとは言いがたい。一部で伝えられているように、解雇対象のパイロットには、「JALでの居場所はない」と言わんばかりに白紙のシフト表が渡されるなど、露骨な“肩たたき”が行われたようだ。

実はこの話には、続きがある。ローテーション表に自分の乗る航空機がない場合でも、会社が休みになるわけではない。希望退職へと誘導する「面談」が控えているのだ。

面談は1対3で行われる。つまり従業員が本社人事担当者や直属の上司ら3人と相対し、本人に辞める意思がなくても、会社の窮状や希望退職制度の詳細について説明を受けることになる。早い話が「辞めてください」ということだ。

プライドの高い客室乗務員が地上職兼務へ

CCUは日本航空乗員組合とともに、国際労働機関(ILO)日本事務所を訪れ、今回の整理解雇がILO条約に違反するとして、日本政府への調査・指導を求める緊急要請書を提出した。

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